29日、富山市民球場でプロ野球オールスターゲームが開催される。新川高校(魚津市)の女子野球部員らが「ボールガール」として球宴を支えることになった。同部は今春に県内初の高校女子野球部として誕生したばかり。女性監督と部員5人が練習や部員集めに奔走する姿が関係者の目に留まった。
創部の経緯
高校の女子野球部は、全国的にもまだ少ない。全国高校女子硬式野球連盟によると、連盟に加盟しているのは全国で72校だ。同校で創部の話が持ち上がったのは、昨夏だった。名門・高岡商業高校で監督経験のある高岡向陵高校の宮袋誠校長が「女子が野球を続けられる環境を作りたい」と提案した。高岡向陵と新川は、いずれも学校法人「荒井学園」(高岡市)が経営する系列校だ。毎年8月、全日本大学女子野球選手権大会が開催され「女子野球の聖地」と呼ばれる魚津市の新川高校での旗揚げが決まった。
監督の思い
監督に就任したのは、魚津市の今方杏香さん(26)だ。小学校2年のとき高岡市で野球を始めたが、中学では女子は野球部に入れなかった。ソフトテニス部で活動する傍ら、母が所属するソフトボールチームの練習に参加したが「もう野球はできないのかな」と諦めかけていた。県立福岡高校に進学すると、野球部のマネジャーを務めながら、監督に懇願して男子とともにトレーニングに参加。社会人などが参加する女子野球クラブチームにも所属し、部活のない日は練習に参加した。石川県内の大学に進学すると、準硬式野球部へ。「やっと野球ができる」と思ったが、女子は公式戦に出場できなかった。学外でもクラブチームに参加し、大学卒業後は自ら女子チームを作った。
新川高の監督に誘われたのは自動車販売会社(高岡市)に入社して3年半近くたった昨年9月。営業職として仕事を覚えてきた時期だっただけに迷いもあったが、「自分のように野球ができる機会に恵まれなかった女子を減らしたい」と、今年2月に退職した。新川高の保健体育の教員となり、創部に動き出した。
部員集めと今後の目標
4月以降、部員集めに奔走する。現在の部員は5人。唯一の3年生渡辺カロリーナさん(17)は中学でソフトボール部だった。「初めて長く続けられたのがソフトボールだった。少し異なるがやってみたいと思った」と入部した。監督とキャッチボールをしたり、近所のバッティングセンターで共に練習したりしている。部は来年度の連盟加入と公式戦出場を目指す。最大の課題は部員獲得だ。6月には、魚津市内で中学生を対象に練習交流会を開催。県内外から約20人が参加し、「新川高で挑戦したい」と話す生徒もいた。
オールスターでの役割
オールスターゲームについての打診は、先月、球宴関係者から富山市を通じて新川高にもたらされた。ボールガールを務めるのは、今方さんと、渡辺さんの2人だ。ボールガールは、ファウルボールの回収などで円滑な試合運営を助ける。今方さんは「選ばれたのは光栄。注目を集める球宴に出ることで、女子野球について知ってもらう機会になれば」と張り切っている。渡辺さんは「選手たちの試合進行を、スムーズにできるようがんばりたい」と話している。



