連覇への決意と新たな課題
近畿一円で開催される全国高校総体(インターハイ)の重量挙げで、府立宮津天橋高加悦谷学舎(与謝野町)の3年生・長島広明選手(17)が連覇に挑む。1年生で優勝した高校選抜大会以降、高校の3大タイトルと全日本ジュニア選手権を制覇してきた逸材は、今回のインターハイを「通過点」と位置づけ、世界を見据えた成長を続けている。
競技との出会いと才能の開花
与謝野町出身の長島選手は、小学6年生の時に重量挙げ選手だった母の知人が監督を務める同高校を見学したことが転機となった。バーベルを持ち上げた際に「才能がある」「姿勢がきれい」と褒められ、競技を開始。成長とともに挙げられる重量が増え、シンプルに楽しさを感じたという。全国中学生大会でも優勝する実力をつけたが、「才能で戦っているようだった」と当時を振り返る。
試行錯誤の末に掴んだ成長
身体能力やセンスに頼った無計画な練習は、けがとなって表れた。フォームが不安定なまま重い重量に挑むなど、実戦を想定しないトレーニングは成果を得られず、焦りを生んだ。壁に直面した長島選手は周囲に助言を求め、すぐに実践するようになり、地道な試行錯誤を続ける姿勢を身につけた。「高校生になって、一足飛びで成長できないことに気付かされた。大きな経験になった」と語る。
身長1メートル74、体重105キロの筋骨隆々な体で、自己ベストはスナッチ150キロ、クリーン&ジャーク180キロ。高校でもすぐに全国上位に食い込み、1年生の高校選抜大会以降、同世代には負けなしでここまで来た。
けがを乗り越えた連覇
順調に記録を伸ばす中、今年3月に練習中にぎっくり腰を発症。しかし、2週間後の高校選抜大会に強行出場した。「同世代の選手に負けたという記録を残したくなかった」と長島選手。万全ではない中で、スナッチ、クリーン&ジャークともに他の選手が届かない記録を叩き出し、残りの試技を棄権する堅実な試合運びで連覇を達成した。
部の柏木良太顧問(25)は「彼には可能性しかない。高校新記録や国際大会出場を目指して成長してほしい」と期待を寄せる。
全日本選手権の惨敗と精神面の強化
5月に初めて臨んだ全日本選手権では、目標とする姉の和奏さん(20)が同じ会場の全日本女子選手権86キロ級で日本新記録を樹立して優勝する中、自身は初舞台に萎縮し、出場選手11人中10位と惨敗。精神面の弱さを痛感した。「日々のトレーニングにプラスアルファで追い込むようにして、精神面を鍛えたい」と教訓を得た。
インターハイでは優勝とともに、スナッチ158キロ、クリーン&ジャーク185キロを目標に掲げる。「五輪に姉と一緒に出る」という目標を胸に、記録だけでなく心技体を充実させた舞台とするつもりだ。



