今大会のスペイン代表は、まさに衝撃的だった。前橋育英高校サッカー部監督の山田耕介氏はそう語る。全員がサッカーを深く理解し、チーム全体で連動しながらボールを動かしていくそのスタイルは、理想のサッカーそのものだという。
スペインのサッカーは「全員が同じ絵を描く」
山田監督は、スペインの選手たちは少年時代から連係や連動するプレーを非常に細かく指導されていると推察する。「どう動いたらどこにスペースができて、どこにボールを出せば突破できるのか。全員が同じ絵を描き、二つ、三つ先のプレーを見越して動いていく」とその完成度を称賛。選手全員がピッチを上空から見下ろすようなイメージを持ち、相手の嫌がるパスを供給する姿勢を「理想」と表現した。
一方で、個の能力が突出したフランス代表のようなスタイルは真似できないが、スペインのサッカーは日本にも近づける可能性があると感じているという。
日本サッカーへの提言:戦術眼の重視を
現在の日本サッカー界では、1対1のデュエルやプレー強度を重視する風潮が強い。しかし山田監督は、もっと選手の戦術眼に重きを置くべきだと主張する。具体例として、前橋育英出身で現在柏レイソルに所属する小泉佳穂選手を挙げた。小泉は在学中からピッチを俯瞰する能力が高く、卒業後にフィジカルが強化されて素晴らしいプレーヤーに成長した。また、日本代表の鎌田大地選手(クリスタルパレス)も同じ感覚を持つ選手だと評価し、「そういう選手をもっと大事に育てていく必要がある」と述べた。
メッシのような選手はもう現れない?
山田監督はアルゼンチンのリオネル・メッシ選手について、「もう二度と出てこないのではないか」とさえ思うと語った。特にキックの多彩さと精度の高さに注目し、「キックは大人になっても上手くなる。少ない本数で日々集中して行うことが大切だ」と指導のポイントを指摘した。
世界との差:縮まるも「上には上がいる」
世界との差は確実に縮まっているとしながらも、山田監督は「上には上がいる」と実感させられたと振り返る。選手も指導者も、さらなる努力が不可欠だと締めくくった。



