甲子園で選手名入りボードの応援禁止、個人をヒーロー視せず…声援は容認
甲子園で選手名入りボードの応援禁止、声援は容認

第108回全国高校野球選手権大会は22日、決勝を迎える。ここまで47試合が行われ、熱い声援が送られた。しかし、選手名入りのボードなどを掲げる応援には、大会本部からストップがかけられた。日本学生野球憲章が定める「教育の一環」を理由に「個人をヒーロー視する応援は好ましくない」と禁じているからだ。禁止を知らない観客は戸惑い、応援団の責任者は周知の難しさに悩む。

個人名入りボードの掲示に注意

西日本の出場校の1回戦。別の学校の男子高校生(17)ら5人がアルプス席で友人の名前を書いた手作りボードを掲げると、応援団関係者が駆けつけ、やめるように促した。男子高校生は「友人を応援したかっただけなのに。禁止とは知らなかった」と肩を落とした。

読売新聞の取材では、この学校以外でも、選手名を記したうちわやタオルを掲げ、注意されたケース2件を確認した。

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大会本部の対応と声援の扱い

大会本部は応援団責任者を集めた大会前の会議で禁止事項の一つとして説明。実際に禁止行為があれば大会本部委員らが応援団責任者らに声をかけ、掲示をやめてもらっているという。

一方、選手名を声に出すことは「ボードなどは多くの人の目に触れ、写真・映像に残る可能性もあるが、声援はその場限り」として許容する。応援団が指示を出すため、観客席に向けて掲げるのも認めている。

周知の難しさと専門家の指摘

大会本部によると、禁止し始めた時期は不明だが、応援団責任者に配布した資料には、近年は個人名を掲げる事例が多く見受けられると記載されている。

ある関西の出場校は学校や保護者会を通じて周知したが、選手の友人や親戚がアルプス席で注意された。応援団責任者は「規模が大きくなると、行き届かせるのは難しい」と漏らす。

日本部活動学会の副会長を務める関西大の神谷拓教授(スポーツ教育学)は「応援の過熱を防ぐため、一定の基準を設けるのは理解できる。ただ、教育の一環という説明では人によって解釈が変わるため、丁寧な合意形成が必要だ」と指摘。その上で「『見るスポーツ』という楽しみ方もあり、これまでの応援ルールを見直すことも考えていいのではないか」としている。

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