21日午前8時50分ごろ、静岡市清水区三保の「カナサシ重工」造船所で、岸壁に停泊中のタンカー内部から出火した。火は約3時間半後に鎮火したが、作業員1人が死亡し、9人が煙を吸うなどして救急搬送された。
県警によると、出火元はタンカー船首付近の船底とみられ、溶接作業中の男性の手袋に引火したとの目撃証言がある。タンカーは「第十一若吉丸」(955総トン)で、造船中だった。
出火当時、船底で溶接作業中だった男性
消防車と救急車の計26台が出動し、約3時間半後に鎮火したが、男性1人が死亡した。20~50代の男性作業員9人が煙を吸うなどして搬送され、うち6人が中等症、3人が軽症とみられる。
県警によると、この日は午前8時から17人が造船作業に当たっていた。出火当時、船底では中国籍の40代男性作業員がバーナーで溶接作業をしていた。一緒にいた作業員は「男性作業員の手袋に引火した。助けを求めに行って戻ると、黒煙が充満していた」と説明している。船底からは1人の遺体が見つかり、県警は身元の確認を進めている。
タンカーは約6割完成、今後のテスト予定だった
別の男性作業員は「上司から『船外へ出てくれ』と指示されて逃げた」と振り返った。タンカーは約6割完成しており、今後エンジンやポンプなどのテストを行う予定だったという。
カナサシ重工は1999年に創立され、タンカーの造船や修繕を手がける。現場の作業員には毎月2回、安全管理の講習を実施し、外国籍の作業員には安全教育のマニュアルを翻訳して渡していたという。タンカーは7月16日に進水式を実施していた。
同社の担当者は「警察の捜査や消防の調査に全面的に協力していく」と話した。近くに住む77歳の男性は「サイレンの音が鳴りやまず、付近に消防車がたくさん来ていて驚いた」と話していた。



