世界的なダイバー、ジャック・マイヨールさん(1927~2001年)が愛した唐津の海。その海岸沿いを通る国道204号が、10月に開催される自転車の国際ロードレース「マイナビ ツール・ド・九州2026」の舞台となる。
「ルート・グランブルー」命名の経緯
佐賀県は国道204号の約20キロの区間を「ルート・グランブルー(GB)」と名付けて誘客を図っている。地元関係者は「世界中に唐津の海の魅力を発信する機会になれば」と期待する。
マイヨールさんは幼少期に避暑地として戦前の唐津を訪れており、付近の海に潜ったことがダイバーとしての原点とされる。「グランブルー」は群青を意味するフランス語で、マイヨールさんをモデルとした1988年公開の映画のタイトルでもある。2023年に県がルートの通称に採用した。
地元事業者の思いと観光名所
「波が立たない日は、海底の岩肌まで見えるくらい透き通っています」。同県唐津市の古川陽進さん(48)は、ルートGBから海を見渡して語った。
古川さんはアウトドア用品メーカー勤務などを経て、15年に故郷に戻った。地元の海の美しさを改めて実感し、16年4月に「たいようアウトドア」を起業。ボードに乗ってパドルをこぐサップなど海のレジャーや、ルートGBを走るサイクリングツアーを商品として販売しており、参加者には「きれいな景色で気持ちいい」と好評だという。
ルートGBの沿道には国の天然記念物「七ツ釜」や海中展望塔がある波戸岬、イカで有名な呼子朝市通りなどの観光名所がある。
国際レースでのPR効果
県は昨年10月と今年7月に周辺観光地をPRする動画を作成してユーチューブで配信している。SNSでも情報発信するが、「知名度はなかなか上がっていない」(観光関係者)という。
転機として期待されるのが、ツール・ド・九州だ。10月10日のレース初日のコースとして唐津市・波戸岬から福岡県糸島市を経由して福岡市・天神に至る約155キロが設定された。佐賀県はPRの絶好の機会としてレース事務局と交渉を重ね、コースの中でルートGBは2周することで合意した。