出雲駅伝が超高速化、ルーキー3人が区間賞…早大・新妻&本田&駒大・鈴木
出雲駅伝が超高速化、ルーキー3人が区間賞…早大・新妻&本田&駒大・鈴木

秋の駅伝シーズンが始まり、12日の出雲全日本大学選抜駅伝では、早稲田大学が6区間中4区間で区間賞を獲得する盤石のレースで、16年ぶり3度目の優勝を果たした。上位7チームが大会記録を上回る高速駅伝では、3人のルーキーが区間賞を獲得する奮闘が光った。

早大のルーキー新妻が区間新記録

2010年以来の優勝を果たした早大で、MVP級の働きを見せたのが4区の新妻遼己だった。トップ日大から9秒差の2位でたすきを受け、猛然と走り出した。2キロ手前で日大をかわし、みるみる後続を離していく。中継点では2位日大に16秒差をつけた。

タイムは17分10秒。区間記録を10秒上回る区間新をマークし、国学院大のエース野中恒亨(4年)を4秒上回る快走だった。

兵庫・西脇工高出身の新妻は、昨年の全国高校駅伝で1区2位と快走し、同1位の増子陽太、同3位の本田桜二郎と共に早大入りした「令和の三羽がらす」の一角だ。しかし、春夏のトラックシーズンでは増子がU20日本記録をマーク、本田は日本選手権1500メートル2位入賞などと活躍した一方、見せ場がなかった。出遅れを取り戻す爆発に「前半シーズンは苦しんだが、夏場はチーム3番目くらいに走り込め、それが自信につながった」と冷静に語った。

本田と鈴木も区間賞で勢い

新妻の勢いを受け、5区山口竣平(3年)、6区工藤慎作(4年)も連続区間賞で続き、終わってみれば2位国学院大に58秒差の完勝劇。新妻は「後ろに偉大な先輩たちが残っていたので、安心して気楽に走れたのがよかった」とはにかんで笑った。

その新妻が「刺激になった」と語ったのが、2区区間賞に輝いた本田の走りだ。トップ駒大から16秒差の7位で走り出すと、ぐんぐん前へ。1キロ付近で前の集団を捉えると、2キロ過ぎには駒大にも追いついた。そこからは7人の集団から順大、創価大などが次々仕掛ける大激戦。じっと勝機をうかがった本田は、残り700メートルから決然とスパートし、首位でつないだ。

「臆することなくガンガン攻め、1年生らしい走りができた。絶対届かないと思った選手に勝って、自信がついた」と強気な姿勢を貫いた。

今大会の早大は、トラックシーズンの疲労などを考慮し、増子を温存した。それでも他を寄せ付けない完勝に、花田勝彦監督は「圧倒的な個を作る目標のもと、今回は特に1年生2人が頑張った。10区間の箱根ではまだまだ選手が足りないので、今回走らなかった選手たちも、この仲間に加わってきてほしい」と期待を寄せた。

駒大のルーキー鈴木も快走

もう一人、区間賞を獲得したルーキーが、駒大1区の鈴木大翔だった。序盤は中大の実力者、藤田大智(4年)が引っ張る展開。中盤から10人ほどの先頭集団となり、そのまま最終盤に突入した。残り700メートル。宮城・仙台育英高で鈴木の同期だった、創価大の菅野元太がスパート。粘る鈴木はラスト300メートルで首位を奪い、追いすがる青学大を振り切った。

昨年の全国高校駅伝は3区3位。今年1月の全国都道府県対抗男子駅伝1区では、増子、新妻をラストスパートで退ける区間賞で、宮城県の初優勝に貢献した俊英だ。「監督からは1年生だからチャレンジするだけだと言われ、腹をくくって自信を持って臨めた」と振り返った。藤田敦史監督も「フレッシュな子が出てきたのは収穫。これをチームの力に変えていきたい」と満足げだった。

駒大は今季、前回箱根10区区間新の佐藤圭汰(ナイキ)ら強力な4年生4人が抜けた。「早大の3人とは戦いたくないけど、いずれは勝てるぐらいになって、エース的な存在になっていきたい」。世代交代期の強豪に、控えめながら頼もしい大駒が加わった。