愛知・名古屋アジアパラ大会(読売新聞社協賛)の陸上男子200メートル(車いすT51、52)が23日、名古屋市瑞穂公園陸上競技場で行われ、三重県鈴鹿市出身の伊藤智也選手(63)(バイエル薬品)が金メダルを獲得した。大会新記録となる32秒07でフィニッシュし、男性では53歳だったアジアパラ大会金メダリストの国内最年長記録も更新した。
大会新記録で盟友にささげる金
伊藤選手は4レーンからスタートし、コーナーで外側の選手を次々と追い抜き、トップでホームストレートに飛び込んだ。韓国選手の猛追を約0.7秒差で振り切り、32秒07の大会新記録でゴールした。
今大会は100メートルで銅メダル、400メートルで銀メダルに続く3個目のメダル獲得となった。
事故で盟友を失い、強行出場
伊藤選手は9月26日、沖縄県内の公道で練習走行中に車に追突され、亡くなった上与那原寛和さん(55)を盟友に持つ。20年ほどの付き合いがあった上与那原さんの突然の訃報で、練習に身が入らない日々が続いた。
銀メダルだった22日の400メートルでは、スタート時に肩の腱板を痛め、ドクターから「(23日の出場は)お勧めできない」と告げられたが、強行出場した。
「彼の分まで背負い、全力で」
ゴール後、伊藤選手は長年のライバルでもあった上与那原さんについて「きょうは引っ張ってくれた気がする。一番いい色だから喜んでくれるだろう」と感慨深そうに語った。開幕後は上与那原さんについて報道陣に語ることを控えてきたが、「彼への思いはしっかりと永遠に持ち続けていきたい。帰ったら部屋に置いてある(上与那原さんの)写真に報告したい」と話した。
これまでのパラリンピック5大会で計6個のメダルを獲得してきた伊藤選手は、2年後のロサンゼルス・パラリンピックを視野に「彼の分まで背負い、全力でやっていきたい」と意気込みを語った。