国際サッカー連盟(FIFA)のジャンニ・インファンティーノ会長は27日、インスタグラムとFIFA公式チャンネルで公開した長文の書簡により、W杯北中米大会への批判に反論した。
「憎悪と虚偽の噂を撒き散らしている」
書簡は「(批判に)熱中するあまり、すべてを見逃してしまった人々には申し訳なく思う」とのメッセージで始まった。インファンティーノ氏は「デスクや画面の向こう側で、憎悪や虚偽の噂を撒き散らしている者たちに伝えたい。君たちが批判に明け暮れていた間、われわれFIFAは最前線に立ち、世界最高ショーを提供するために懸命に働き、運営を行っていた」と述べ、「暴力も事故もなく、100%の安全と安心があり、喜びと幸せだけがあった!」と主張した。
大会前の懸念とビザ問題
大会前には、高額なチケット価格、地政学的な緊張、紛争の影、猛暑などが問題視されていた。特に、米国と対立するイラン代表の参加、ハイチの国内危機、コンゴ民主共和国でのエボラ出血熱の流行を受け、ビザや渡航制限への監視が強まった。また、トランプ米大統領の強硬な移民取り締まりにより、ソマリア出身の審判オマル・アルタン氏は米国への入国を拒否された。
インファンティーノ氏は「君たちが憎悪を撒き散らす一方で、われわれは紛争中の2国を結びつけるためにたゆまぬ努力を重ねた。イランは問題も衝突もなく米国に入国できた」とし、「サッカーは平和のためのものであり、政治のためのものではない。イランチームには入国ビザが発給された」と強調。さらに「深刻な衛生問題やその他の課題に直面している国々にもビザが発給された」と述べ、「君たちはビザを拒否されたごく一部の人々にだけ言及し、承認された世界中の何百万もの人々を見落としている」と批判した。
イラン側の反発
しかし、インファンティーノ氏の主張はイラン代表のアミル・ガレノエイ監督の言葉と対照的だった。同監督は自国チームがW杯で「最も虐げられた」チームだと語り、エースFWのメフディ・タレミ選手は大会での自国の扱われ方を「悲劇」と呼んでいた。
トランプ氏の介入への批判
また、インファンティーノ氏は、トランプ氏が米国代表FWフォラリン・バログン選手の1試合出場停止処分の見直しを個人的に要請し、同選手がベルギーとのベスト16に出場できるようになった問題にも言及。この件は欧州サッカー連盟(UEFA)などから「前代未聞で解せず、正当化できない」「一線を越えた」と強く批判されていた。
インファンティーノ氏はこれに対し、「権限を持つ機関が下したいくつかの決定に対する不満は理解できるが、どうか公の記録を参照してほしい。このような決定は、多くの主要リーグでも一般的だ」と述べた。「実際、カードの誤審の可能性や、特定の状況で選手を出場停止にしないといった『議論の余地のある』審判の決定や『奇妙な』処分裁定は、世界中の主要リーグで日常茶飯事であり、広く受け入れられている」、「このような慣行を採用している当の国々から批判の声が上がるのは実に奇妙なことだ」と反論した。



