27日の愛知・名古屋アジア大会(読売新聞社協賛)のBMXフリースタイル・パークで、岐阜県出身の小沢楓選手(19)と、妹の美晴選手(16)がきょうだいそろって銀メダルに輝いた。父親が廃校舎の体育館を改装して築いた練習施設で技を磨いてきた2人は、「地元近くの大会でメダルを取れてうれしい」と喜びをかみしめた。
兄妹で銀メダル、父が作った練習場
パーク(競技エリア)にある複数のジャンプ台を使って空中で技を決め、難度や独創性などを1分間で競う自転車競技。まずは美晴選手が女子決勝で、バックフリップ(後方宙返り)などの大技を次々と成功させた。美晴選手は右足首を痛めていたというが、そう感じさせない姿に奮起を促された楓選手も男子決勝で高さのある技で高得点を稼いだ。
2人は同県本巣市出身で、BMX経験者の父、建司さん(48)の影響で小学校から競技を始め、互いに技術を高めてきた。兄が見せる高難度の技に果敢に挑んできた美晴選手は「教科書が近くにいる」といい、楓選手も「妹というよりも仲間として戦っている」と認め合う。
廃校の体育館を改装、安全な練習環境
もともとは屋外施設などで練習していたが、3年前からは、廃校になった小学校の体育館を改装した屋内施設を使う。建司さんが、滑って転倒しやすい雪や強風の日でも安全に練習できるようにと、建築会社の友人と手作業で完成させた。出場する大会と同じようにジャンプ台を配置して対策を練ることもある。
こうした恵まれた環境の下、2024年の国内大会でアベック優勝するなど結果を残し、今大会の代表に選ばれた。今大会は同じコースを作ることはしなかったものの、2人でどのように走るかというコース取りを念入りに話し合ってきたという。
家族の声援と今後の目標
決勝は愛知県国際展示場(常滑市)で行われ、家族で駆けつけた建司さんは「よく頑張った。練習場を作ったかいがあった。2人ともまだ若くここからが勝負だ。これからも頑張ってほしい」とエールを送った。
BMXフリースタイル・パークは、五輪では2021年の東京五輪で初採用され、アジア大会は今回が初めて正式競技となった。2年後のロサンゼルス五輪に向け、2人は1戦ずつ勝ち進む覚悟で、「優勝したい」と口をそろえた。