大相撲秋場所で、新入幕を果たした朝翠龍(26)=高砂部屋=が、兄の朝紅龍(27)とともに史上14組目の兄弟幕内となった。現役では若元春と若隆景、琴勝峰と琴栄峰に続く3組目として、注目を集めている。
母の言葉が背中を押した
「兄弟そろって幕内で土俵入りするのも一つの目標だった。実現できてめちゃくちゃうれしい」と朝翠龍は話す。
大阪府四條畷市出身。幼い頃から、兄とともに相撲を続けた。兄弟での幕内入りは、今年2月に58歳で亡くなった母の願いでもあった。
大学卒業後、いったんは滋賀県内で教員をしていた。角界入りを決めたのは、母ががんをわずらっているとわかってから。背中を押したのは「兄弟で土俵入りする姿が見たい」という母の言葉だった。
兄から学び、超えていく存在
2024年に初土俵を踏んだ。先に幕内に定着した兄に支えられてきた。「先陣を切っていろいろしてくれた。兄の経験も聞けるのでやりやすい」
関取になってからは15日間を戦い抜くための心構えや体のケアなど、多くを兄から学んだ。そんな兄は「超えていきたい」存在でもある。
母の生前に兄弟そろった幕内の土俵入りを見せることはできなかったが、母から教わった「下から攻めろ」という教えは持ち味になった。「これからもいい報告ができるように」。その視線は、すでにさらに上を向いている。
兄弟幕内の歴史
「兄弟幕内」は江戸期から続く歴史がある。日本相撲協会によると、初めての兄弟幕内は1774(安永3)年、釈迦ケ嶽とその弟、大鳥居と伝わる。江戸期には計2例が生まれた。
3例目は昭和期からだ。1968年、その後大関まで駆け上がった花田(貴ノ花)が入幕。元横綱の初代若乃花が兄だった。元関脇の逆鉾と寺尾、平成期に「若貴」として一時代を築いた3代目若乃花と貴乃花も14例の中に含まれる。



