バスケ男子、韓国に敗れ準優勝 64年ぶり銀メダル
バスケ男子、韓国に敗れ準優勝 64年ぶり銀メダル

愛知・名古屋アジア競技大会(読売新聞社協賛)のバスケットボール男子決勝が20日夜に行われ、史上初の金メダルを目指した日本は韓国に57―67で敗れ、準優勝で大会を終えた。頂点には届かなかったものの、アジア大会での日本の銀メダルは1962年ジャカルタ大会以来、64年ぶりの快挙だ。

若手主体のチームが急成長

八村塁や河村勇輝(ともにNBA・クリッパーズ)、渡辺雄太(千葉J)ら「A代表」の選手ではなく、今後の飛躍が期待される若手主体で構成された今回のチーム。今夏の始動当初は低調な内容の試合を見せることもあったが、日を追うごとに個人としてもチームとしても目覚ましい速度で成長を見せた。

韓国エースの執念に屈す

1次リーグでは17点差で完敗した韓国との決勝。雪辱を期した日本だが相手エースの執念に屈した。28―28の同点で前半を終え、点差が離れ出したのは第3クオーター(Q)。昨季Bリーグの長崎で年間優勝に貢献し、今季はNBAに挑戦するイ・ヒョンジュン(トレイルブレイザーズ)が次々に3点シュートを沈め、韓国がリードする展開になった。

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日本は第4Q残り7分から、小川敦也(宇都宮)、黒川虎徹(A千葉)、ジャン・ローレンス・ハーパージュニア(SR東京)のポイントガード(PG)3人を同時に起用するスリーガードで勝負に出た。「3人のガードを入れることによってペースを変え、色々な角度から攻めたかった。もちろんサイズ(が小さくなる)の問題はあるが、それ以上に彼らの機動力、タフネスを見て、このラインアップで行こうと思った」と吉本泰輔ヘッドコーチ(HC)は語った。しかし、韓国の守備はハンドラーを3人そろえた日本に対して連係し、攻める隙を与えずにロースコアで抑え込んだ。

小川、金近…選手が見せたステップアップ

決勝の相手となった韓国はA代表の主力選手がそろう上、若手にとっては優勝すれば兵役が免除されるというアスリート人生をかけた一戦。日本は1次リーグで完敗しており、リベンジを期した再戦でもあった。

ただ、この試合で成長ぶりを見せたのは、司令塔としてアジア大会の全6試合に先発した小川だ。前半は韓国のボールプレッシャーに苦しみミスも出たが、後半は190センチのサイズと機動力を生かした果敢なアタックでペイントエリアに突っ込み、この試合12得点をマーク。「前半の韓国がすごく的を絞ってディフェンスしているような印象があったので、それを個で打開する場面も必要だと思った。僕がチャレンジして、もっと日本に勢いをつけたいと思ってプレーした」と振り返る。

今大会で成長を見せたのは小川だけではない。A代表で活躍の実績がありながら、今ひとつ殻を破りきれない印象があった金近廉(千葉J)は、毎試合の開始直後のセットオフェンスで得点を決めるなどエースシューターとして活躍。準決勝の中国戦で19得点、決勝の韓国戦で13得点を記録するなど重要な試合での存在感を示し、「アグレッシブに点を取ってほしいという役割を与えられて、最後の2試合は特に自分の中では吹っ切れてうまくできたと思う。(今までとは)役割が全く違う中で、この高いレベルで中国、韓国を相手に表現できたというのは、自分の中では今までと違った道だった。これを止めずにしっかりとステップアップし続ける必要がある」と手応えを語った。

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「日本にはいないガードを僕は目指せる」

アジア大会のチーム作りについて、吉本HCは「(計画を)想定するというよりは、1日1日、毎日成長することを目標に選手を選んでチームを作ってきた。このトーナメントを通じて、成長したと思うし、競争することもできたと思う。その辺はとても良かった」と総括した。特に決勝トーナメント以降、ほぼA代表で構成された各国を相手に勝ち進んだことからも、日本がチームとして一丸となっていった過程を見て取れる。

一方で、今大会でステップアップした選手たちにとっては、来年に開催されるカタールW杯、再来年に開催されるロサンゼルス五輪の出場権獲得に挑むA代表に加わることも目標となる。A代表の常連メンバーには不在の大型PGとして期待される小川は、「今の実力ではまだまだ足りていない。アジア大会で収穫も課題もたくさんあった。それを突き詰めながら、日本にはいないガードを僕は目指せると思うので、理想に近づけるように日々努力していきたい」と意気込む。

コーチ陣やスタッフにとっても、国際大会の短期決戦をどう勝ち抜いていくのか、という点で貴重な成功体験となったはずだ。この収穫を世代、性別に関わらず、今後の代表強化全体に生かしていきたいところだ。