ブランデュー弘前の選手2人がリンゴ農園で兼業、引退後の選択肢広げる
ブランデュー弘前の選手2人がリンゴ農園で兼業、引退後の選択肢広げる

サッカーの東北社会人リーグ1部・ブランデュー弘前FCに今年加入した選手2人が、リーグ戦や練習の合間に弘前市内のリンゴ農園で働いている。現役引退後のキャリアの選択肢を広げるのが目的で、チームのスポンサーのつてで受け入れ先を見つけた。農家側も働き手の確保のほか、チームのサポーターにもアピールできると歓迎している。

選手2人が農園で作業

下上昇大選手(25)は9月下旬、「せいの農園」で他の従業員のアドバイスを受けながらトキを収穫していた。「日の当たる角度を考えるのは大変。疲れもあるけれど筋トレだと思ってやっている」と話す。熟れ具合を勘案しながら作業を計画的に進めるのは勉強になるといい、「手間がかかっていることを実感した。以前よりリンゴをじっくり味わうようになった」と明るく語る。

大阪府出身の下上選手は「地域のいちばん有名な分野に関わってみたい」と、8月から同農園で働く。平日はチームの練習が終わった午後から、4時間ほど作業に取り組む。

農園側の期待と反応

同農園の清野耕司社長(46)はスポーツ選手ならではの体力に期待しているといい、「周りの従業員に良い影響を与えてくれるのでは」という。SNSに下上選手を掲載するとブランデューのサポーターからも反応があり、リンゴや農業の魅力発信につながると感じている。

東京都出身の上笹貫剣選手(27)は農業に関心があり、ブランデューに加入した。5月からリンゴの生産販売を手がける「レッドアップル」に勤務する。「アスリートはいつか終わる。引退後の道に農業があると自分が示したい」といい、「引退したら日中はリンゴ、夜は子どもにサッカー指導、みたいな生活ができたら」と前向きだ。

農業の担い手不足と市の取り組み

日本一のリンゴ生産量を誇る弘前市の農業は、高齢化や担い手不足が課題だ。国の農林業センサスによると、市内のリンゴ関連の経営体数は2020年の4045から、25年は3464に減った。農業従事者の平均年齢は60歳代で、レッドアップルの赤石淳市社長(47)は「リンゴ産業の担い手が一人でも増えることはうれしい」と歓迎する。

市は25年度からスポーツ団体など向けに就農セミナーを開いている。市農政課の担当者は「団体側、受け入れ側の双方の意見を反映させ、多くの人にリンゴ農家に興味を持ってもらいたい」と話している。

最終戦へ

今季の東北社会人リーグ1部は大詰めを迎えており、ブランデューは14勝1分け2敗の勝ち点43で2位につけている。18日に平川市で行われる最終戦は首位のコバルトーレ女川(宮城県)と対戦する。3点差以上で勝てば1位となり、11月に行われる全国地域チャンピオンズリーグに出場できる。同大会で2位以上に入ると、日本フットボールリーグ(JFL)昇格の権利を得る。