現役引退後の1986年、山下泰裕は結婚し、妻みどりと共に英国留学へ旅立った。この選択がその後の人生に大きな影響を与えたという。
一目惚れの結婚
妻みどりとの出会いは銀座の和光。彼女はそこで働いており、当初は彼女が積極的だったという噂が広まったが、実際は山下の一目惚れだった。5月に挙式し、その夏から1年間、日本オリンピック委員会(JOC)の海外研修事業で英国に渡った。恩師・佐藤宣践先生の勧めによるものだった。
英国での気づき
異なる文化の中で生活することで、見えるものが全く変わると実感。ロンドン中心部では障害のある人を多く見かけ、当初は驚いた。しかし、それは障害者が積極的に町に出る社会認識の高さによるものだと理解した。
出産と文化の違い
帰国前に妻が第1子を出産。その時期、山下にはドイツの柔道教室で講師を務める予定があった。知人から、欧州では最初の子供の出産に立ち会わなければ反感を買い評価を下げると強く助言され、現地の人々の協力で英国の柔道家が代役を務めることになった。日本では無責任と取られかねないが、世界の常識では仕事を優先する方が無責任だと痛感した。



