熊本県南阿蘇村で、2016年の熊本地震で被災した27の宿泊施設が、今回の地震の被災者を無料で受け入れている。「10年前の恩返しをしよう」と村などが企画したもので、2290人分の宿泊予約枠はすぐに埋まった。
被災者を無料で受け入れる宿泊施設
被災経験から体力、精神力ともに厳しい時期を支えようと異例のスピードで事業実施を決めたといい、村の担当者は「たくさんの人に支えられて南阿蘇は復興できた。今回は助ける番だ」と話す。
20日午後、村の小高い丘に立つホテル「南阿蘇野ばらINN」で、オーナーの栗原有紀夫さん(61)は、氷川町から娘と愛犬とともに訪れた医療事務の被災者(49)に「大変でしたね。前回の地震で被災したので、つらさがわかります。ゆっくり休んでください」と語りかけた。
被災者の声と村の被害状況
震度7を観測した氷川町。被災者宅は屋根や壁の一部が壊れたほか、棚やタンスが倒れ、今も片付けが終わっていない。地震後数日は車中泊で過ごし、自宅に戻った後も断水で町役場まで毎日水を取りに行く生活だったといい、「地震後、初めてゆっくりできた。被災してもここまで復興できるのだと感じ、勇気をもらえた」と笑みを浮かべた。
南阿蘇村は16年の熊本地震で震度6強を観測。災害関連死を含めて31人が犠牲になり、約2700棟の家屋が被害に遭った。



