物価高騰が続くなか、行政が直接関わる公的な食料支援が一部の自治体で始まっている。これまでフードバンクなど民間の支援団体が主に担ってきた分野だが、暮らしを下支えする新たな公助に発展するのか注目される。
神戸市の「フードサポートこうべ」に約4万人
神戸市は4月から6月にかけて、市内9会場で合計13回、市民に対する大規模な食料提供「フードサポートこうべ」を実施し、市民に広く利用を呼びかけた。約4万人が来場する大規模な食料支援となった。
6月23日、最大規模の会場である神戸サンボーホール(同市中央区)を訪ねた。4日間連続の開催で、この日は同市長田区と須磨区の市民が対象だった。
所得制限なし、1日5千人分を準備
市が準備した食料や生活用品は1日5千人分。所得制限はなく、予約もいらない。お米やレトルト食品などトートバッグに袋詰めされた食品の重さは約6キロ。開場時刻前から多くの人が集まり、整理券に書かれた時間帯にホールに入場し、食品を受け取った。
会場を訪れた人たちに話を聞いた。「子どもが多いから物価高騰で食費がすごいことになってる。(支援は)正直、ありがたい」と、3人の子どもがいるという40代の女性はそう話した。障害のため車いすを利用しているが、幼い娘と2人でバスを乗り継いで会場まで来たという。食料は、来場1人につき1袋、1世帯で最大3袋まで受け取ることができる。「中学生のお姉ちゃんにも来てもらって、もう1袋受け取ってもらいたいと思っています」と話した。
トートバッグを肩にかけて会場から出てきた女性(79)は「電気代が高いから暑くなってもクーラーをちゃんと使えるのか不安。大変ですよ、ほんまに」と話した。一緒に来た友人の女性(87)は「医療や介護の保険料も上がっている。私らは元気だけど、年齢的に足腰が悪くて会場に来られない人もいる。少しでいいから困った人に配送してほしい」と訴えた。
行政が食支援に本腰を入れる理由
いま行政として食支援に本腰を入れる理由はなにか。事業の狙いは支援ニーズの掘り起こしにあるとみられる。この記事は有料記事です。



