リモート勤務の無法地帯化、人事部の葛藤と模索
リモート勤務の無法地帯化、人事部の葛藤と模索

リモートワークが普及する中、人事部は新たな課題に直面している。画面越しのテキストコミュニケーションだけでは、現場の機微に触れる機会が圧倒的に不足し、結果としてタスク処理は速くても、イレギュラーな事態に対応できる「経験値」が溜まりにくくなっているのだ。

出社は「自己投資」へ

しかし、若手の中にもこの事実に気づき始めている層がいる。新入社員の何人かは、フルリモートが認められているにもかかわらず、「自分はフル出社します」と断言していた。「私は一日も早く仕事を覚えてステップアップしたいんです。先輩たちの働き方を直接見たいですし、すぐに質問できる環境のほうが成長が早いと思うので」と意気込む新人たちの姿は、非常に頼もしかった。

彼らにとって「出社」とは、会社から強制される義務ではなく、自らの成長を加速させるための「自己投資」であり「キャリアアップの手段」となっている。リモート勤務を選びたがる人が多い中、逆に「出社」に新たな価値を見いだしているあたりが今どきらしい。

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ハイブリッドな働き方の模索

誤解してほしくないのは、決して極端な「出社回帰論」を主張したいわけではない。リモートワークがもたらした通勤ストレスからの解放や、ライフステージに合わせた柔軟な働き方には、得がたいメリットがある。

今、企業の人事や経営層が直面しているのは、制度の過渡期ならではの生みの苦しみだ。「出社かリモートか」の二元論ではなく、両者の良い側面をどう融合させるかというフェーズに来ている。個人で集中するタスクはリモートで効率的にこなし、チームでのブレストや若手の育成、複雑な意思決定の場ではリアルに顔を合わせる。自由な働き方を享受するための「プロとしての基本姿勢」をアップデートし、泥くさい人間同士の関わり合いを再構築していくことが大切だ。

「行きすぎたワーケーション管理職」や「勝手に移住する若手社員」を見過ごすことなく、会社と個人の新しいつながり方をどう描くか。人事担当者の葛藤と模索は、まだしばらく続きそうだ。

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