「日本百名山」達成目前の遭難 管理人が見た過信の代償
「日本百名山」達成目前の遭難 管理人が見た過信の代償

北海道・幌尻岳(標高2052メートル)で、「日本百名山」の制覇を目指していた本州在住の60代女性が遭難した。すでに90座以上に登頂していたという女性は、単独で同山に入山。夏山シーズンで天候も良好だったことから、山頂を越えた先に広がる氷河地形「七ツ沼カール」の絶景を楽しみ、戸蔦別岳を回って下山する計画を立てていた。

管理人の忠告「間に合わない」

標高950メートルにある「幌尻山荘」の管理人・山木正生さんは、女性から計画を聞くと「この時間から七ツ沼を回るのは、間に合わない。山頂まで行ったら、引き返してね」と告げた。女性は「わかりました」と応じ、山木さんは理解してくれたと思い見送った。

しかし、夜になっても女性は戻ってこなかった。「山頂で引き返さず、回ったな……」と山木さんは悟り、午後8時ごろ「遭難」として関係機関への通報を決めた。

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最難関の山で何が

幌尻岳は日本百名山の中でも「最難関」の一つに数えられる。女性が選んだ額平川コースは山頂まで片道15キロ以上あり、途中で沢を十数回渡らなければならず、時間も体力も消耗する。

女性の山荘到着時刻は、山木さんが「安全に下山できる」とみる目安から2時間以上遅かった。今から山頂を往復するだけでも7~8時間かかり、周回は無理がある状況だった。

一夜明け、山木さんは警察や関係機関と連絡を取り、捜索が始まった。山小屋の管理人たちは、人の判断の揺らぎが遭難につながる瞬間を数多く見てきたという。SNS時代の登山リスクや行方不明事案の現実を、証言から迫る。

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