大阪市は9月から、子育て世帯の経済的負担を軽減するため、第2子に限定していた0〜2歳児の保育料無償化を第1子に拡大した。一方で、0〜2歳児の「隠れ待機児童」は2000人超に上り、受け皿となる保育施設の確保が急務となっている。
無償化拡大と隠れ待機児童の現状
0〜2歳児の保育料は国の制度で低所得世帯と第3子以降が無償化の対象で、第2子は半額補助、第1子は全額負担となっている。市は、横山英幸市長の肝いりの施策として2024年9月から第2子の保育料を独自に無償化。さらに今年9月から第1子に拡大し、認可保育所に通う約1万2800人が新たに対象となった。認可外保育施設のうち、「企業主導型」と呼ばれる施設を利用する約3300人についても無償化した。
保育ニーズの高まりと受け入れ枠の課題
無償化の影響で今後、懸念されるのが保育施設の受け入れ枠の不足だ。今月開かれた市の待機児童対策の会合で、待機児童は2年連続でゼロとなったものの、隠れ待機児童は2543人と、4年連続で増加したことが明らかになった。隠れ待機児童は0〜2歳児が大半を占め、6割超が1歳児だった。
会合では、26年度の0歳児人口が1万7536人と10年ぶりに増加に転じたことや、婚姻数が2年連続で増えていることも報告された。市は、第2子の無償化で保育ニーズが伸びたことなどから第1子の無償化でも保育需要が1割程度高まると見込んでおり、「特に1歳児の入所がより困難になる恐れもある」と懸念する。
市の対策と今後の見通し
市は入所枠を確保するため、保育事業所の開設への補助金に加え、既存の施設が空きスペースを活用して1歳児の受け入れ枠を増やす場合、1人につき100万円を助成するなどの対策を講じている。ただ、8月末時点の受け入れ枠の確保数は新規開設で860人、既存施設の活用で88人にとどまっている。
会合後、横山市長は、第1子への無償化拡大など子育て施策について「家庭の経済的負担を軽くすることは、子どもを増やすことにプラスになる」と指摘。その一方、「(隠れ待機児童が)2500人と高止まりしている。来年4月以降の状況を注視したい」と述べ、保育士や施設の確保などで入所枠の拡大に取り組む考えを示した。
◆隠れ待機児童=入所できる保育施設があっても特定の施設を希望して入所しなかった場合、国の基準では待機児童数から除外される。保護者が育児休業中などの理由も含め、国の調査では、2026年4月時点で6万人以上いるとされている。