NHKは19日までに、16日に開かれた定例会見の内容を公式サイトで公開した。職員が出演者から性被害を受け、その後に設置された調査検討委員会で職員への人事的な対応が不十分だったと指摘されたことや、相手方の同意なく性的な身体接触を行った20代の記者を懲戒免職処分とした件について、記者の質問に回答した。
性被害事案の公表と会長の認識
同局は8月5日、職員が出演者から性被害を受けたことを公表し、その後に設置された調査検討委員会で職員への人事的な対応が不十分だったと指摘されたことを発表した。井上樹彦会長は「公表できる内容については明らかにしていると認識しています。必要に応じて、これからも丁寧に説明を重ねていきたいと考えています」と述べた。
性被害の件について、井上会長は「去年の4月に労働組合を通じて申し入れがあり、このとき初めて事案について把握しました」と説明。その後、NHKから独立した立場で客観的に調査を進めるよう、当時の稲葉会長と協議の上、指示したと明かした。公表までに時間を要した理由については「公表することによって被害者をさらに傷つけることがあってはならず、被害者の意向を十分に確認しながら慎重に対応を進めてまいりました」と述べた。
懲戒免職処分の説明と今後の対応
9月9日には、相手の同意なく性的な身体接触をしたとして20代の記者を懲戒免職にしたと発表した。記者会見を開かなかった理由について、井上会長は「懲戒処分の公表基準に基づいて、事案の内容や処分の内容も踏まえて、その都度、公表のあり方については判断しています」と説明した。
調査検討委員会からは、このような事態を招いた原因として「人権意識の不足」や「対応部署の不明確さ」「過度の原則主義」「職員の消極的姿勢」、「組織の構造的な機能不全」といった7つの点が指摘されている。井上会長は「いずれも特定の部署や個人だけの問題ではなく、組織全体として真摯に向かい合うべき課題だと痛感しております」と述べ、人権デューデリジェンスや苦情救済窓口をはじめとした人権施策の構築、メンタルヘルス支援の強化、研修の充実などの取り組みを進めていると語った。
加害者とされる人物の他局への出演については、山名副会長は「他局への出演については把握しておらずコメントする立場にありません」と述べた。また、加害者を公表できない理由について「被害者の方の保護という観点からです」と説明し、出演者側には被害者との接触を避けるよう強く申し入れていると明かした。
被害者への法的措置について、井上会長は「あくまで被害者の意向を尊重していくべきだと考えており、当該の職員としっかりコミュニケーションを取りながら対応を進めています」と述べた。



