「好きなことを仕事に」の危うさ
30年以上フリーランスとして仕事を続けてきたブックライターの上阪徹氏は、「好きなことを仕事にする」という考え方には危うさが潜むと指摘する。上阪氏自身、20代の頃は「目立ちたい」「評価されたい」「有名になりたい」「お金が欲しい」と強く願っていたが、それらはあっさりと想像以上の形で実現したという。しかし、欲しいと思わなくなった時にそれらが手に入った経験から、「成功のようなものは目的にするべきではない」と語る。
失業がもたらした人生のリセット
上阪氏は失業という大失敗を経験し、人生をゼロリセットする機会を得た。それまでの自分を大きく反省し、「自分を捨てる」という真反対の選択をした結果、思ってもみない形で理想の自分に近づいたという。「欲しいと思う気持ちを捨てたら、ぐるりと回って欲しいものが手に入った」と人生の妙を語る。
誰にでもできるマインドリセット
上阪氏は、この「マインドリセット」は意識すれば誰にでも可能だと主張する。具体的には、自分のエゴを心にしまい、やりたいことも一旦封印する。その代わりに、必要とされることに真剣に取り組み、目の前のことを一生懸命やり、約束を守り、みんなでうまくいくことを考える。これらは明日からでもできる簡単なことだという。
楽しめる自分になることの重要性
上阪氏は、満足できるかどうかを決めるのは自分自身だと強調する。「なんだ、こんな仕事」と思うか「うわあ、これ面白そうだな」と思うかは自分次第であり、後者の方が楽しい人生を歩める。だからこそ、何事も「面白そうだな」から入り、楽しんでしまうことが大切だ。そして、そうした姿勢から思わぬ仕事の広がりが生まれるという。
チャンスはひっそりと潜んでいる
上阪氏は、「チャンスはわかりやすい形で現れるとは限らず、むしろチャンスではないと思えたところに潜んでいる」と語る。やりたいことしか見えていない人にはそれが見えず、逆にチャンスだと思えばすべてがチャンスになりうる。自身は公序良俗に反するものや、過去に「この人はちょっと」と思った人以外の仕事は、小さな仕事や条件が悪いものでも基本的に引き受けてきたという。
「人は日々、試されている」
上阪氏は、「人は日々、試されている」という考えのもと、どんな仕事にも真摯に向き合う姿勢を貫いている。目の前のことを楽しみ、誰かの役に立つことをモチベーションにすることで、長く途切れることなく仕事を続けられているのだろう。



