「出世できても断りたい」管理職を避ける若手IT人材たち…上場には言えない本音
「出世できても断りたい」管理職を避ける若手IT人材

「出世できてもしばらくはこのままでいい」――ある広告企業でIT関連職として働くNさん(20代後半、仮名)は、自身のキャリアについてこう語る。ビジネス誌などで「若手人材が管理職になりたがらない」という話題が頻繁に報じられる昨今、IT人材も例外ではない。レバテックが3月に発表した調査によれば、20代は計36.2%、30代も計56.2%が「ほぼ管理職になりたいと思わない」「全く管理職になりたいと思わない」と答えている。

管理職になるうまみが感じられない

Nさんは新卒から今の企業で働くプロパー社員。これまで昇給・昇格も順調で、すでに現在働く部署のマネージャーに次ぐ職位という。しかし、しばらくはこれ以上昇給・昇格する気はなく、今の立場で働き続けたいと考えている。主な理由は働き方だ。現在は残業代ありのフレックスタイム制で働いているが、これ以上職位が上がると裁量労働制になり、残業代が出なくなる。給与テーブルと照らし合わせると、昇給を考慮しても手取りの総額が大きくは変わらないため、「管理職になるうまみが感じられない」というのがNさんの考えだ。

「直属の上司がハードワーカーで、常に社内チャットがオンラインになりっぱなしなのもあり、余計に責任・業務量が重く感じる。仕事自体は楽しいので、現在の給与と責任で働き続け、副業や投資で収入を増やしたい」という。そうした姿勢は社内の評価に悪影響を及ぼすのではとの疑問もあるが、Nさんは「窮屈になったら積極的に転職を検討する」と強気だ。

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別の理由も

レバテックの調査では、管理職になりたくない理由として「責任が重くなる」(56.4%)、「給与が上がらない」(31.5%)、「人間関係が煩わしい」(30.4%)などが上位に挙がった。また、管理職になると残業代がなくなることを懸念する声も多く、特に若年層ではその傾向が強い。IT業界では技術スキルを磨くことに価値を見出す人材が多く、管理職よりもプレイヤーとしてのキャリアを志向する傾向がある。

Nさんのように、残業代と昇給のバランスを考慮した結果、管理職を敬遠するケースは少なくない。企業側は、管理職の魅力を高めるために、給与体系の見直しや裁量労働制の運用改善、副業許可などの柔軟な働き方の導入を検討する必要があるだろう。

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