靴下生産日本一の町の大学、残糸をドレスに再利用 広陵かぐや姫まつりで披露
靴下生産日本一の町の大学、残糸をドレスに再利用

靴下生産量日本一の奈良県広陵町にある畿央大で、人間環境デザイン学科の学生が靴下製造の過程で出る残り糸の再利用に取り組んでいる。地場産業を後押しするゼミ活動の一環で、廃棄予定の残糸をウェディングドレスやワンピースに生まれ変わらせている。17、18日に町内で開かれる「広陵かぐや姫まつり」のステージ企画・ファッションショー(18日)でこれまでの作品が披露される。

残糸の再利用を研究

ゼミを指導する村田浩子教授は、衣類の快適性や機能性を追求する研究に携わる。乳がんの手術を受けた女性が手術痕を覆える使い捨て入浴着を研究グループで開発し、2022年度の「グッドデザイン賞」を受賞した。地元の靴下製造企業とタイアップするなど新商品開発にも取り組む。

靴下の製造には、商品の仕様によって色や太さ、素材が異なる糸が使われる。デザイン次第でそれぞれの糸を使う量が異なるため、使われない残糸が出てしまう。相手先ブランドによる生産(OEM)の場合、他製品への転用は難しく、多くが廃棄されている。村田教授によると、靴下製造会社1社当たりの残糸は1年間で約15トン、廃棄費用は20万~30万円に上るという。そうした現状から、村田教授は数年前から残糸の再利用を研究するようになった。

卒業課題で衣装を制作

残糸を使った衣装は22年度から、毎年4年生が卒業課題で制作。残糸は町靴下組合に加盟する複数の会社から提供を受けている。靴下用の糸は細く切れやすいため、4、5本をより合わせて1本の糸を作り、それを織機や編み機で布地を作り、思い思いのデザインに仕上げていく。

これまでに、シルクが混じった光沢のある糸でできたウェディングドレスや黒のスーツ、赤を基調としたワンピース、上下が分かれている二部式の着物など6点が作られた。18日のファッションショーでは、2、3年生が通常の生地で仕立てた浴衣や甚兵衛、Tシャツなどを着て登場するとともに、残糸作品6点を4年生がモデル役となって披露する。

広陵町の発展につなげる

村田教授らは今年度、県の大学等発スタートアップ支援事業で、残糸を手芸糸として販売する方策を検討するなど有効利用策を練る。村田教授は「取り組みの道筋をつけ、広陵町の靴下産業の発展につなげたい」と意気込んでいる。