東大推薦で最多93人合格も「華やかな実績」だけでは不合格に? 大学が見る「マッチング」とは
東大推薦で最多93人合格も実績だけでは不合格? 大学が見る「マッチング」とは

2026年の東京大学の学校推薦型選抜で、制度開始以来最多となる93人が合格した一方、「非常に華やかな実績を持つ受験生でも不合格になる」現実が多くの人を驚かせた。東大が推薦で見ているのは、単なる受賞歴や肩書だけではないという点が改めて注目されている。

東大が求める「学び方」とは

東京大学の学校推薦型選抜のアドミッション・ポリシーには、単に試験の得点だけを意識した狭い受験勉強に偏るのではなく、学校の授業の内外で自分の興味・関心を生かして幅広く学び、広い視野や深い洞察力を身につけようとする人を歓迎すると示されている。つまり、東大が見ているのは「すごい人」かどうかよりも、「東大で学ぶにふさわしい学び方をしてきた人かどうか」だという。

推薦入試は実績の自慢大会ではなく、大学とのマッチングの場である。大学や学部には求める学生像を示すアドミッション・ポリシーがあり、推薦入試はそのポリシーに受験生がどれだけ合っているかを見極める入試だと、『総合型選抜・学校推薦型選抜の新しい教科書』(孫辰洋著、中山芳一監修/SBクリエイティブ)は解説する。

「地理が大好き」を求める大学も

法政大学文学部地理学科の自己推薦入試では、「地図を眺めていると時間を忘れてしまう人、三度のメシより地理が大好きだという人」を歓迎すると案内されている。この学科は「とにかく地理が好きでたまらない人」に来てほしいと明言しており、学力や評定平均が高くても、英検1級を持っていても、地理が好きでないなら不合格になる可能性があるという。

ただし、「地理を極めるために外国語の文章を読む必要があると思い、英検を取りました」という理由であれば、英検1級が評価されるだろう。推薦入試では「立派な実績があるか」だけでなく、「その学問にどれだけ強い関心があるか」「その関心を自分の言葉で語れるか」が重視される。

偏差値より「合っているか」が問われる時代に

推薦入試では「どれだけ優秀か」よりも「どれだけ合っているか」が問われるため、偏差値だけで見ればより難しい大学に受かる人が、別の大学・学部では不合格になることも普通に起こりうるという。

近年、大学入試において推薦合格者の割合が半数を超えており、今後7割になるともいわれている。同書は、推薦合格者5000人分のデータを分析して導き出した推薦合格のためのロードマップを解説している。「自己理解」「社会読解」「自己展開」の3つを軸に、人生年表の作成や100の自問自答ワークを通して推薦入試で求められる力を養い、志望理由書・小論文・面接の各対策につなげる内容だ。