富士山の夏山シーズンが10日、全ての登山道で終了した。7~8月の静岡側の入山受付者数は昨年比で約2割増となり、それに伴って遭難者も昨年比24人増の56人となった。県などは安全な登山のあり方を模索している。
閉山日当日の富士宮ルート
閉山日当日の10日、富士宮ルート5合目では下山してくる人の姿が見られた。早朝に友人と2人で富士山を登り始めた相模原市の大学3年、浅井琉玖さん(20)は「初の富士山を駆け込みで楽しめた」と笑顔だった。頂上を目指していたが、登るにつれ風が強くなり、レスキュー隊からの助言も受けて8合目で引き返したという。「来年は登頂したい」と話していた。
入山者数と遭難者の増加
県によると、静岡側の登山者数の約7割が登る富士宮ルートの入山受付者数は約6万8000人(7月10日~8月26日)で、昨年同期比で2割以上増加した。県富士山世界遺産課の担当者は「入山料制度への理解が広がり定着したことが一因とみられる」と話す。
県警によると、7~8月の遭難者数は56人(昨年同期比24人増)で、そのうち外国籍の登山者は17人(同7人増)。死者数は2人(同2人増)だった。県警地域課の担当者は「登山者数の増加が遭難者数増加に影響したのではないか」と分析する。
閉山期の救助体制の検討
積雪量が増える閉山期の救助のあり方については、6月から静岡、山梨両県が作業部会を設置して検討を進めている。山口県山陽小野田市の女子大学生(24)は「遭難者が救助要請をためらわないような仕組みがあった方が良い」と話していた。
県富士山世界遺産課の担当者は「今後遭難件数増加の原因を分析し、来季以降の安全対策を検討していく」と話していた。



