京都府警が昨年に受理した拾得届は約63万件に上り、警察署の保管スペースはスーツケースや小型扇風機、片方だけのワイヤレスイヤホンなどで満杯状態となっている。今月には秋の大型連休「シルバーウィーク」(19~23日)が控えており、府警は落とし物をしないよう注意を促すとともに、拾った際には最寄りの警察署への届け出を呼びかけている。
中京署の保管庫は2部屋ともぎゅうぎゅう詰め
8月下旬、中京署にある2部屋の拾得物保管庫(計約40平方メートル)の棚には、衣服などが所狭しと詰められていた。床には傘が差し込まれたバケツやスーツケースが置かれ、中にはマネキンの上半身が「落とし物」として保管されていた。
中京署は昨年、府内の警察署で2番目に多い約6万4000件の拾得届を受理した。管内には世界遺産・二条城などの観光地を抱え、ホテルなどの宿泊施設が立ち並び、多くの観光客が連日行き交っている。届け出はゴールデンウィークなどの大型連休、祇園祭の時期に特に増えているという。
昨年の受理件数は約63万件、証明書類が4分の1
府警によると、落とし物を拾った際に警察署などに届け出る「拾得届」の昨年の受理件数は63万2218件で、過去最多の2024年からほぼ横ばいだった。今年1~6月は31万2824件で、昨年同期に比べて2602件多いという。
拾得物の保管期限は3か月。昨年に一時的に保管した約67万点の内訳では、25%を運転免許証やマイナンバーカードなどの証明書・カード類が占めた。他には交通系ICカードなどの有価証券類14%、タオルやハンカチなどの生活用品類10%、衣類・履物類6%――などが続いた。
持ち主への連絡や返却の取り組み、目印や製造番号が有効
スーツケースの拾得も増えている。中身が空で、買い替えなどに伴って意図的に放置したものもあるとみている。
警察署の業務は、拾得物の管理だけにとどまらない。持ち主がすぐに現れない場合、運転免許証の住所にはがきを送ったり、スマートフォンは通信会社を介して連絡したりもする。
中京署会計課の職員・東夏実さんは「出来るだけ早く返してあげたいが、とにかく日々の受け入れ量が多い」と話す。外国人観光客への英語対応に苦労することもしばしばだという。
府警は秋の観光シーズンを前に「乗り物や施設内でも、肌身離さず持ち歩いて」と呼びかけている。届け出の8割以上は、鉄道やショッピングセンターといった、公共交通機関や商業施設からだという。
府警は、大切な物にはキーホルダーやシールで「目印」をつけておくと、警察署に問い合わせをした際に確認がしやすくなるとする。モバイルバッテリーや小型扇風機は、同種の製品が届け出られている事も多く、製造番号を控えておくことも効果的だという。



