福井県越前町は7月、事故が多発している町道に、道路の幅を狭くする障害物を設置した。運転手が障害物を避けようとすることで、減速を促す効果があると期待され、事故防止につなげたい考えだ。
事故が多発していた区間
越前町道口、厨の町道約500メートルの区間では、2020年からの5年間で死亡事故3件、重傷事故1件が発生している。いずれも、自動車が道路を横断する歩行者をはねた事故だった。
町には複数の海水浴場があり、観光客による交通量も多い。事故が続いた区間の道路は直線で、国道とも接続していることから、運転手が速度を出しすぎる傾向があるとみられ、危険性が指摘されていた。
試験設置を経て正式導入
事故多発を受け、町と福井県警鯖江署などは25年1月、現場の総点検に取り組み、住民と防止策について検討を進めた。同6月、町はこの区間の前後に試験的に、「狭さく」と呼ばれる障害物を設置した。以降、重大事故は起きなかったことから、正式に設置することを決めた。
町は先月24日、町道2か所に、ラバーポールと区画線で構成する台形状の狭さく(幅0・5~1・5メートル)を設置。町と鯖江署は今月4日、運転手へチラシを配って狭さくの周知と安全運転の啓発に取り組んだ。
専門家の評価と今後の展望
同署の清水崇夫交通課長は「対策を機に、他の場所でも速度を落としての運転を心がけてほしい」と話し、町都市整備課の担当者は「交通安全に対する意識が高まり、事故のない道路になってほしい」と期待を込めた。
交通安全対策に詳しい九州大学の志堂寺和則教授は「狭さくによって道路の変化が視覚的にわかりやすくなっている」とし、「速度を保ったままの車が流入しやすい、(越前町の)このような場所では適切な対策だ」と評価した。
志堂寺教授は、歩行者に対しても、「運転手は狭さく部を通過するために車の操作へ注意が向いている可能性がある。そのことを意識して、横断してほしい」と呼びかける。



