高知県の多くのガソリン販売店が、店頭に表示する看板の価格をそろえていたことを複数の関係者が認めた。独占禁止法に触れる恐れがある調整は、なぜ始まったのか。
「絶対おかしい」とタクシー運転手
8月上旬の高知市内。記者がガソリン価格を取材していることを知ると、タクシーの運転手は「高知のガソリンスタンドは値段がぜんぶ一緒でしょ。絶対おかしい。何とかしてほしい」と訴えた。
資源エネルギー庁のデータでは、高知のガソリン価格は全国でも有数の高値。そして、ほぼ一定の時期が複数あった。「どの店も価格が同じなのはなぜか」と、県庁には22年以降、30件ほどの問い合わせが寄せられている。
4店がまったく同じ価格
タクシーで見て回ると、レギュラーは1リットル174円、ハイオクは184円。少なくとも4店がまったく同じだった。1店だけ、レギュラーとハイオクが3円ずつ安い店があった。店の前には車の列もできていた。
関係者によると、この店を中心に2008年、激しい価格競争が起きたという。仕入れより安く売る店も現れ、公正取引委員会は09年4月、不当廉売の疑いがあるとして7社に警告した。
「暗黙の了解」で価格統一
元経営者の男性は「多くの店がつぶれる寸前まで行った。こんなバカなことは二度とやめよう、適正な水準を保ちましょうやと。融和を図ることができた」と振り返る。その後、「暗黙の了解」で、ほとんどの店が看板価格を同じにするようになったという。
郊外の店で営業をしていた男性も、価格調整の実態を証言している。



