首里城復元は「魂の伝承」…沖縄未来コンサバターズにジュニア記者が参加
首里城復元は「魂の伝承」…ジュニア記者が沖縄で学ぶ

2019年の火災で被災した首里城の復元工事や文化財の修復を学び、沖縄の伝統文化を次世代に伝えるプログラム「沖縄未来コンサバターズ」(主催・読売新聞社、沖縄美ら島財団、協賛・清水建設)が3~5日に沖縄で行われ、ジュニア記者が参加した。今年で4回目となるこのプログラムの様子を報告する。

首里城正殿の復元現場を見学

プログラムには、ジュニア記者と、地元の首里高校染織デザイン科、南風原高校郷土芸能部、興南高校興南アクト部の生徒計16人が参加した。興南アクト部は、修学旅行生など首里城を訪れる人たちを対象にしたガイド活動を行っており、参加者たちも案内してもらった。オリジナルのガイドボードを使いながら、普段から勉強している豊富な知識をもとに、「実はね」と楽しそうに教えてくれる豆知識にも感心した。首里城の守礼門が印刷されている2千円札も実際に見せてくれ、より興味が深まった。

首里城は14世紀に創建され、火災と再建を繰り返してきた。2019年の火災で9棟が被災し、7棟が全焼した。令和の復元では、新たな資料が見つかったり、調査や研究が進んだりしたこともあり、戦前の首里城をモデルに工事が行われている。時代が進むほど、本来の姿に近づけられると知って興味深く感じた。正殿の漆塗りに携わった前田美海さんは、「漆器より10倍、20倍も大きい建物に漆を塗るのは、それまでの考え方を変えないといけない作業だった」と振り返っていた。

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漆器修復の現状と課題

正殿は、11月に一般公開される予定だ。今回は、公開前の正殿を正面から見ることができる貴重な機会となった。そして、沖縄の人々に愛されてきた首里城の復元は、単なる再建ではなく、「魂の伝承」でもあると感じた。

火災では、絵画や漆器、染織品なども被害を受け、約1500点のうち、400点近くが焼失した。初日と2日目に話を聞いた漆器専門の文化財修復師、土井菜々子さんによると、展示室に展示されていた漆器はほとんどがすすで真っ黒になっていて、被害状況を把握するだけでも約1年かかったという。修復できるのは年間5~6点が限界で、すべての修復を終えるには20年以上かかる見通しとのこと。土井さんのような修復師の数も限られているので、若い世代の育成が不可欠だ。

土井さんの話の中で印象に残った言葉がある。「汚れは落としても、歴史は落とさない」。漆器を修復する際は、専門家と何度も話し合い、歴史が刻まれている経年劣化は残しながら、汚れだけを落とすようにしている。修復に使う道具の多くは手作りで、なるべく木や竹など天然の素材を使っているという。参加した南風原高2年の呉屋きらりさんは、「クジラのひげを使った道具もあることに驚いた」と話していた。

円覚寺の復元工事から学ぶ

今回は、首里城の近くにある琉球王国の王様の菩提寺「円覚寺」の復元工事現場も見学した。円覚寺は沖縄戦で破壊され、三門の復元は、発掘調査や古い写真などをもとに専門家の意見を取り入れながら行われている。ネジやくぎを使わず木を組み合わせる伝統的な建築技術を用いているそうで、耐震性も高いという。屋根の反りといった微妙な部分も人の手で図面化していると聞いて、機械化が進む現代でも人の感覚は必要なのだと感じた。

首里城や円覚寺の復元も、文化財の修復も、ただ元の姿に戻すのではなく、歴史を大切にしながらそこに込められた人々の思いを未来へつなぐことなのだと実感した。そうした努力を知ったからこそ、私たちも沖縄の文化に関心を持ち、自分の言葉で次世代や未来へ伝えていきたいと思った。

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