福井大雨レベル5後の屋外避難が目立つ、知人宅に逃れた女性「不安に駆られた」
福井大雨レベル5後の屋外避難が目立つ、知人宅に逃れた女性

8月29~30日に福井県を襲った大雨は、被害の発生から1週間が経過した。気象庁が5月に導入した新制度に基づき、「レベル5大雨特別警報」が発表されたが、意味を知らずに外に避難した人が目立った。屋外避難は、原則レベル4までとされている。

観測史上最大の雨量と相次ぐ特別警報

今回の大雨では、24時間降水量が県内5か所で観測史上最大となり、同県勝山市勝山で350・5ミリ、福井市福井で233ミリを記録した。

勝山、福井、大野の3市で29日午後8時34分~30日午前2時40分、順次「レベル4大雨危険警報」が発表された。その後、同午前4時半、レベル5大雨特別警報に一斉に格上げされた。

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レベル5発表後の避難行動に課題

気象庁は5月、レベルをつけて危険度を示す新たな防災気象情報を導入した。レベルごとに、住民が取るべき避難行動を示しており、避難所への移動は、レベル4まで。命の危険が切迫するレベル5は、自宅の高い場所に避難し、直ちに身を守ることが求められている。

しかし、読売新聞の取材では、レベル5の発表後に屋外へ避難した人が複数確認された。

福井市内の会社員女性(58)は、携帯電話の通知でレベル5の発表を知り、夫と車で知人宅に避難した。「家の近くに川が流れており、『家から出られなくなる』と不安に駆られた」とし、「レベル5が危険というのは知っていたが、どう行動すべきかわからなかった」と振り返った。

日本自動車連盟(JAF)福井支部によると、30日未明から車両移動の要請が相次ぎ、冠水した道路を走行中に動けなくなったり、アンダーパスで水没したりした事例が複数あったという。住民がレベル5の発表後に避難し、動けなくなった可能性もある。

今後の発表増加への備え

気象庁によると、レベル5大雨特別警報の発表基準は、河川氾濫の危険度を示す指数と、地表にたまる雨水の量を示す指数がある。指数は1キロ四方ごとで計算され、20~30か所で基準値を超えると、自動的に発表される。

レベル5大雨特別警報は、千葉豪雨で8月13日、石川、富山両県を襲った豪雨で8月27日に発表されるなど、8月に入って相次いだ。9月以降も台風の接近や秋雨前線による大雨が続いており、レベル5の発表は今後も相次ぐ可能性がある。

九州大の杉山高志准教授(防災心理学)は「『レベルが高くなれば危険』という認知は広がっているが、避難行動と結びついていない。レベル5になる前に避難する大切さを行政は繰り返し伝える必要がある」としている。

被害状況のまとめ

福井県による最新の被害状況のまとめ(6日午前11時時点)などによると、人的被害は軽傷が3人。福井市や坂井市を中心に市街地が冠水し、住宅565棟で床上・床下浸水や一部損壊の被害が出た。約39万人に避難指示などが出され、最大592人が避難所に身を寄せた。

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