英国のヘンリー王子が、タブロイド紙「デーリー・メール」の発行元であるアソシエイテッド・ニュースペーパーズ社を相手取り、不法な情報収集を行ったとして起こしていた裁判で、ロンドンの高等法院は7日、王子の訴えを退ける判決を下した。高等法院は「原告側は主張する不法行為を証明できなかった。したがって、請求は棄却する」と述べた。
発行元は「ジャーナリズムが正当と証明された」と声明
判決について、アソシエイテッド・ニュースペーパーズ社は「デーリー・メールのジャーナリズムが完全に正当だと証明された」と表明した。同社は、裁判所が「原告側の97の主張のすべてを棄却した」ことは、マシュー・ニックリン裁判長が「記者たちの取材源に関する証言の誠実さを認めた」ことを示していると述べた。
また同社は声明で、王子側が主張した車や自宅への盗聴器仕掛け、通話の傍受、銀行口座への不正アクセスといった行為は「センセーショナルで不条理」であり、「信頼できる証拠は一切提示されなかった」と指摘。「実直で熱心に働く我が社の記者たちの名誉がひどく傷つけられたが、今日、その無実が証明された」と付け加えた。
王子は「完全かつ明白な隠蔽」と批判
一方、ヘンリー王子は、判決は「完全かつ明白な(事実の)隠蔽」であるとし、「裁判所がメール紙の無実を証明するためにここまで手を尽くしたことは、衝撃的であると同時に、全く不当だ」と批判した。王子はこれまでもメディアの違法行為に対して積極的に訴訟を起こしており、今回の敗訴は大きな打撃となった。
本件は、王子が長年にわたりメディアの違法取材に苦しめられてきたと主張する一連の訴訟の一つである。今回の判決により、王子側の主張が法的に認められなかったことになるが、王子は今後もメディアとの戦いを継続する意向を示している。



