埼玉県久喜市の玉置政美さん(80)が、傘寿を記念して同級生の近況を手紙などで伝え合う「紙面同窓会」の会報を作り、好評を博している。体の衰えから同窓会へ出かけにくくなった同級生たちが、手紙で交流を続けられるようにと企画した。
同窓会の代わりに紙面で交流
玉置さんは熊谷市立奈良中学校を1960年に卒業。50歳代の頃から同級生の経営するスナックに約30人が集まり、5年ごとに同窓会を開いていたが、参加者は次第に減少し、2016年の古希を祝う会では19人だった。2021年は75歳で集まる予定だったが、コロナ禍で中止となった。
80歳になった今年、傘寿を記念して同窓会を開こうと声をかけたが、「熊谷まで行くのは遠い」「運転免許を返納した」などと後ろ向きな反応が相次いだ。そこで思いついたのが、紙面同窓会だった。かつて民生・児童委員を務め、地域の高齢者を訪問した経験から、「手紙で近況を書き送ってもらえば参加できるのではないか」と考えたという。
同級生の現況を確認し、会報に思い出や近況を掲載
奈良中の同級生79人の現況は、今も学区内に住む元高校教員の同級生が1軒ずつ自宅を訪問したり、電話をかけたりして確認した。43人が亡くなったり消息不明だったりし、健在だったのは36人。このうち29人が玉置さんの求めに応じ、過去の思い出や近況を手紙などで伝えてきた。
会報には「多くの方が亡くなっていると分かり、ショックだった」という声がある一方、「ひ孫が生まれた」と喜ぶ声や、「今も自営業で働いている。体が動く限りは働く定めのようだ」「健康マージャンを始めた」など、様々な声が盛り込まれている。
高齢者の情報交換手段として手応え
熊本県で暮らす女性(81)は「卒業してから一度も同窓会に出たことがない。紙面同窓会報のおかげで同級生の消息がわかり、うれしい」と話した。高齢で文字をうまく書けず、読み取りにくかった手紙は、玉置さんが電話で内容を聞き取り、加筆して会報に載せた。「言いたいことをうまく文章にしてくれた」と喜ばれたという。
会報の編集や製本作業をねぎらう手紙も届き、玉置さんは「予想以上に反応がよかった。5年後にもまた紙面同窓会をしたい」と話している。



