高知のガソリン看板価格、暗黙の了解で一本化か 独禁法抵触の恐れ
高知のガソリン看板価格、暗黙の了解で一本化か 独禁法抵触の恐れ

朝日新聞が全国のガソリン価格を都道府県ごとに分析したところ、高知県で価格が何カ月にもわたり、不自然にほぼ一定になる時期が複数見つかった。複数の関係者が取材に、多くの店が看板に表示する価格を「暗黙の了解」でそろえていたと証言した。ポイント還元などで競争はしているというものの、専門家は独占禁止法に触れる恐れがあると指摘する。

約20年分のデータで判明した価格の硬直性

分析したのは資源エネルギー庁の約20年分のデータ。グラフにすると、高知の平均価格は、レギュラー1リットルあたり22年8月~23年7月は176円台、23年10月~24年7月は179円台で、ほとんど動きがなかった。

ほかの都道府県では、原油価格や需給の変化を受けて細かく上下していたが、ほとんど一定のうえ、価格そのものも全国10位以内の高値だった。

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関係者が語る「暗黙の了解」

なぜこうなったのか。元経営者の男性は、過去の激しい価格競争を理由に挙げた。「二度とあんな『戦争』はやりたくない。そんな切実な思いで、みんなで手をつないだ。融和が図れた」

県石油業協同組合の幹部も「看板(価格)を一本化した店が多かった」と認めた。遠隔地の販売店から問い合わせがあると、高知市内の看板価格を伝えていたという。ただ、各店はポイント還元をしたり、常連に値引きをしたりして競争しているとした。

25年のカルテル疑惑報道で価格が急落

だが25年、長野県でカルテルの疑惑が報じられると、組合は法令順守を呼びかけた。「店頭で見える看板価格を聞いてはいけないのか」と反発もあったが、「やばいかも」との意見が通った。

価格は急落。夏には全国平均を下回った。

専門家「暗黙の了解で独禁法抵触の可能性」

公正取引委員会の元審査専門官で東北大の伊永(これなが)大輔教授(独禁法)は「販売店が看板価格から割引して競争していたとしても、看板価格は目安として実売価格に影響を与える。看板価格が一本化されることを互いに認識した上で情報を伝え合うことは、独禁法に抵触する可能性がある。明示的な合意がなくても、暗黙の了解で足りる」と指摘した。

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