ドイツ東部ライプチヒの空港で8月、高性能の軍用爆薬と起爆装置を搭載した小型ドローン(無人機)が見つかった。ドローンは、駐機していたウクライナの輸送機の翼にぶつかり、滑走路に落ちていたところを発見された。
ロシア関与を断定、対抗措置も
ドイツ政府は、このドローンの部品や爆薬、起爆装置などからロシアが関与したと断定し、独西部ボンのロシア総領事館閉鎖などの対抗措置をとった。ロシア政府は関与を否定しているが、北大西洋条約機構(NATO)のルッテ事務総長は「証拠は明白だ」とロシアを非難した。
欧州連合(EU)のフォンデアライエン欧州委員長もロシアを念頭に、「自由と安全を脅かそうとする者を阻止する」と述べた。米メディアは、米国防当局者がこのドローンはロシア情報機関のもので、搭載されていたのは軍用の爆薬だとしていると伝えた。
破壊工作の試み、警戒強化を
ドローンが爆発していれば甚大な被害が出ていたろう。ドイツへの軍事攻撃に等しい破壊工作の試みである。ロシアのこのような暴挙は許されない。
ドイツは、侵略者ロシアに抗戦するウクライナへの主要な支援国だ。ライプチヒの空港は民間貨物やNATO軍の物流の要になっている。ウクライナの航空貨物の拠点でもある。見つかったドローンは4つのプロペラで飛ぶ仕様だった。露の工作員や手先が、空港近くまで運んだり、誘導したりした可能性がある。
発見翌日には、この空港の近くで、飛行中の貨物機にドローンが接触した事案もあった。ドブリント独内相は「ドイツがロシアのハイブリッド攻撃の標的になっている」と語った。
日本でも同様の脅威
これに懲りず、ロシアは破壊工作を続ける可能性がある。ドイツやNATO加盟国は警戒を強めるとともに、ウクライナ支援に力を入れるべきだ。
今回の事案は欧州に限った脅威ではない。ロシアは日本の隣国だ。また、ロシアが用いる破壊工作や軍事攻撃の手立てを、中国や北朝鮮が模倣してきた歴史もある。日本においても、小型ドローンを悪用した破壊工作が行われる恐れはある。
国家情報局や外務省、防衛省、自衛隊、警察庁、国土交通省などは、ドイツと情報を共有し、万全な対応を講じてもらいたい。



