福岡県議会、百条委設置を賛成多数で可決 背景に「苦い記憶」
福岡県議会、百条委設置を賛成多数で可決 背景に苦い記憶

金銭授受疑惑などに揺れる福岡県議会で17日、強い調査権を持つ調査特別委員会(百条委員会)の設置が決まった。正副議長ポストなどを巡る疑惑と高額な海外視察について議会自ら調査を行うもので、実態解明につながるか注目される。

迷走の末の採決、賛成多数で可決

百条委員会の設置議案は、緊急動議や4回の本会議開催など迷走の末、17日明け方にようやく採決が行われた。予想に反し、自民党県議団を含む大半の議員が賛成した。背景には臨時会での「苦い記憶」もある。

百条委は9月中から少数会派を中心に提案の動きがあった。当初は第三者委員会の調査が始まったこともあり、提案されても否決になるとの見方が強かった。

緊急動議の否決と議運判断の覆り

閉会予定日の16日は各議員が主導権争いを繰り広げた。主要5会派の代表者会議では、会派会長らが来年2月末までとする調査期間の短さなど疑問点を指摘した。

一方、提案者側の吉松源昭(もとあき)議員は「議会運営委員会で継続審査となれば、12月定例会まで採決されない。そうすると実質の廃案だ」として、議運での議論を経ずに即時採決を求める緊急動議を出した。各会派は反発し、動議は賛成少数で否決された。

その後、議運は継続審査としたが、本会議では一転して議運の判断が否決された。継続審査とならなかったため、すぐに議案の採決が行われ、9割近くの議員が賛成した。

8月の臨時会での「苦い記憶」

8月の臨時会では、蔵内勇夫氏(議員辞職)の議長職辞職勧告決議案の中止動議に賛成した議員がインターネット上で批判を浴びた。来春に県議選が控える中、ある議員は「議会の自浄能力を示すという議案には反対しにくい」と吐露した。

臨時会後に民主系会派が分裂してできた「県民の声ふくおか」の原田博史代表は「(8月の)動議以降、精神的なダメージを受けた仲間を間近にみており、判断の一因になった」として、百条委の設置議案に賛成。「百条委と第三者委がそれぞれの機能を発揮し、県議会の正常化に向けて進んでいかなければならない」と述べた。