裁判所の夜間業務、女性にも割り当てへ 最高裁が方針決定
裁判所の夜間業務、女性にも割り当てへ 最高裁が方針

最高裁判所は、東京と大阪の裁判所での夜間業務について、これまで男性職員に限っていた運用を改め、性別に関係なく割り当てる方針を決めた。今後、全国の裁判所の夜間業務を東京と大阪に集約することに伴う勤務形態の変化や、裁判所内部での運用変更を求める声を踏まえての対応だ。

夜間業務の内容と現状

各地の裁判所の裁判官は、平日や休日の夜間でも警察官らが請求する逮捕状の審査や発付手続きなどを担う。書記官や事務官ら職員は当番制で、夜間から朝にかけてこれらを補助する仕事をしている。2026年度時点で全国の裁判所には書記官が約9800人、事務官が約9300人いる。

最高裁や裁判所関係者によると、女性裁判官は一部の裁判所でこうした夜間業務を担うが、書記官や事務官らの職員は男性に限られてきた。休憩場所などの整備状況や職員の安全確保といった観点から、女性職員を夜間業務から外す対応が続いてきたとみられる。

業務集約に伴う運用変更

刑事事件の捜査や公判手続きのデジタル化が27年3月までに始まる。その後、従来は書類で手続きをしてきた逮捕状の請求などが、オンラインで可能になる。これを受け、最高裁は平日夜や休日の逮捕状の審査などの業務を、東京と大阪の裁判所がまとめて担う方向で調整している。

集約によって東京と大阪では審査件数が増え、夜間業務の負担が重くなると予想される。最高裁は集約を機に「性別のみで一律に区別する理由はない」として、女性にも夜間業務を割り当てる運用に改める。当番の免除などに関する制度や運用も検討しており、すでに各裁判所に説明している。

女性職員の増加と法改正の経緯

女性職員は増えており、24年に採用された職員の61・5%は女性だった。裁判所内では、夜間業務を男性に限る運用の変更を求める声もあったという。

裁判官や裁判所職員は一般の国家公務員と同様、労働基準法は適用されない。ただ、1947年にできた労基法は女性の深夜業務を禁じていたが、99年の法改正で解禁された。厚生労働省の指針は、深夜業に従事する女性労働者について、仮眠室や休憩室を整備するよう事業者に求めている。