大阪府藤井寺市は、11月1日に市制施行60周年を迎えるのを記念し、大阪・関西万博のシンボル「大屋根リング」の木材を活用したモニュメントを制作する。節目の年にちなんで標識番号「60」の柱を譲り受け、立体的に組み合わせて、市内の公共施設などで展示。万博の思い出を振り返り、地元への愛着を深めてもらうきっかけとする。
大屋根リングとは
大屋根リングは、会場の人工島・夢洲(大阪市此花区)に造られた1周約2キロの木造建築物で、開催期間中、国内外の来場者を出迎えるとともに「多様でありながら、ひとつ」のメッセージを発信した。解体され、一部分(約200メートル)は保存されることとなっている。
モニュメントのデザインと制作
藤井寺市は万博の遺産(レガシー)の活用に取り組んでおり、開催当時、自分の年齢と同じ標識番号の柱との記念撮影が人気を呼んでいたことから、日本国際博覧会協会(万博協会)に依頼して「60」の柱を譲り受け、「万博の記憶を刻む地域の財産」としてモニュメントを制作することとした。
会場を訪れた人たちをまず驚かせた、格子状に組まれた木材がそびえ立つ姿を想起してもらおうと、モニュメントは高さ約3メートルの柱を中心に縦横に木材を組み合わせたデザインとするイメージ。ミャクミャクの生みの親・山下浩平さんが監修し、完成したモニュメントに山下さんがミャクミャクを描くという。
お披露目と資金調達
制作は府森林組合に依頼し、11月23日に開く「市民まつり」でお披露目し、その後は市役所で展示する予定だ。リングの柱の再利用を通じて、循環型社会や国産木材のPRも狙っているという。
市は制作費を募るため、ふるさと納税の仕組みを利用した「ガバメントクラウドファンディング」を今月31日まで実施中。目標金額は200万円で、制作費、完成セレモニーの費用などに活用するという。
市は「万博の記憶を刻み、市民のよりどころとなるようなモニュメントを作りたい。万博ファンが市外からも集まり、にぎわいが生まれれば」としている。
堺市もリング木材を活用
堺市は、大屋根リングの木材を活用し、約560分の1サイズで再現した模型と記念のキーホルダーを制作する。来春の完成を予定しており、模型は市内施設で巡回展示し、キーホルダーは市内を巡る周遊スタンプラリーの景品として配布する。
万博協会から譲り受けた「53」の木材の一部を使用。模型は直径1・2メートル、高さ13センチで、格子状の柱など独特の構造がわかるようにする。キーホルダーは縦4センチ、横2センチで約3000個作成。表面には「53」の番号や前方後円墳のシルエットをデザインするという。
市観光推進課は「堺を巡って万博のレガシーに触れてほしい」としている。