2月の衆院選において、海外からの郵便投票が投開票日に間に合わなかったのは憲法違反だとして、在外邦人4人が国を相手取り、総額約5万円の損害賠償を求める訴訟を10日、東京地裁に提起した。
在外投票の現状と原告の主張
原告はドイツ、フランス、オーストラリア、カナダに居住する40歳から70歳代の男女4人。公職選挙法では、在外投票の方法として在外公館での投票と郵便投票の2つを規定している。郵便投票の場合、日本の選挙管理委員会から投票用紙を発送してもらい、記入後に日本の選管へ返送する仕組みだ。
訴状によると、原告4人の自宅はいずれも在外公館から約200~1200キロ離れており、移動に多額の費用がかかるため、2月の衆院選では郵便投票を選択した。しかし、4人のうち3人が日本の選管から投票用紙を受け取ったのは公示の7~9日後で、すぐに返送したものの投開票日までに選管に届かなかったと主張。残る1人は投開票日までに自宅に投票用紙が届かなかったとしている。
法的な争点
原告側は訴状で、選挙権の行使が妨げられたのは国が適切な制度設計を怠ったためであり、国民に公務員の任免の権利を保障した憲法に違反すると主張している。在外邦人の投票権は2000年の法改正で実現したが、郵便投票の期間不足や手続きの複雑さが長年指摘されてきた。
林総務相は「訴状が到達していないため、コメントは差し控える」と述べている。



