仕事中にスマートフォンの通知など外部からの誘惑に負けそうになった時、どう対処すればいいのか。実行管理コンサルタントの佐藤彰太氏は、「誘惑を受け入れる姿勢を示した上で、実行をためらうようなハードルを課すことが効果的」と指摘する。自身の著書『絶対に「終わらせる」時間術』(三笠書房)で、独自の時間管理法を提唱している。
逃げ道に名前を付けて客体化する
佐藤氏は、仕事中の逃避行動を「病気」に見立てて名前を付けることを勧める。例えば、「ついタスク中にSNSを見てしまう」という癖には「SNS見ちゃえよ星人」と命名する。他にも「ちょっとだけ休もう野郎」「やる気が出たらやるぜ太郎」「明日でいいじゃん大魔神」「気分転換したいな悪魔」など、自分が使いがちな逃げ道にユニークな名前を付ける。
そして、その逃げ道を使いそうになったら、戦隊ヒーローに変身したつもりで「出たな、○○星人!その手には乗らないぞ!」「○○大魔神め!これからは負けないからな!」と心の中で唱える。この心理的トリックにより、誘惑を客観視し、回避行動を促す。
「脱線のハードル」を高くする具体策
佐藤氏が提案するもう一つの方法は、誘惑を受け入れた上で「スクワット50回」などの物理的なハードルを課すことだ。例えば、スマホを見たくなったら、その前にスクワットを50回行うというルールを設定する。これにより、誘惑に負けるコストが高くなり、自然と回避できるようになる。
「誘惑を完全に断つのではなく、あえて受け入れる姿勢を見せることで、心理的な抵抗感が減る。その上で、実行に移す前に面倒な作業を挟むと、脳が『やっぱりやめておこう』と判断する」と佐藤氏は説明する。
脳内対策会議で誘惑を先回り
さらに、佐藤氏は「脳内で開催する対策会議」の重要性を強調する。事前に誘惑が発生しそうな状況を想定し、対応策をシミュレーションしておく。例えば、「午後3時は集中力が切れやすいから、その時間にスマホを触りたくなったら、スクワットをする」と決めておく。これにより、誘惑が実際に起こった時に自動的に行動パターンを切り替えられる。
佐藤氏によれば、こうした対策は「意識のフック」をタスクに引っかける効果もある。つまり、誘惑に負けそうになった瞬間をきっかけに、生産的な行動に結びつける仕組みを作るのだ。
「いつも使う逃げ道」を自覚する
佐藤氏は、まず自分がどんな逃げ道をよく使うかを認識することが第一歩だと述べる。多くの人は無意識にスマホを手に取ったり、休憩を取ったりしている。これに名前を付け、ハードルを課すことで、仕事の生産性を大幅に向上できるという。
「人間は誘惑に弱い生き物です。だからこそ、仕組みでカバーする必要がある。『スクワット50回』のようなシンプルなルールが、長期的には大きな成果を生む」と佐藤氏は語る。
まとめ:誘惑に打ち勝つ3つのステップ
佐藤氏の手法を整理すると、以下の3ステップになる。
- ステップ1:自分の逃げ道に名前を付けて客体化する
- ステップ2:誘惑にハードル(スクワット50回など)を設定する
- ステップ3:事前に脳内対策会議を開き、対応を決めておく
これらのテクニックを日常に取り入れることで、仕事中の誘惑に打ち勝ち、タスクを確実に終わらせることができるだろう。



