米南部テネシー州で死刑執行を生き延びたクリスタ・パイク受刑者(50)が、病院で意識を取り戻し、会話ができる状態になっている。弁護団が6日、明らかにした。
意識回復と現在の状態
パイク死刑囚は9月30日夜、麻酔薬ペントバルビタールを2回投与されたにもかかわらず死亡せず、刑務所の死刑執行室から救急車で近くの病院に搬送された。意識不明の重体となり、人工呼吸器を装着していた。
弁護団は6日、「あらゆる逆境にもかかわらず」、パイク死刑囚が「意識を取り戻し、会話ができる状態になっており、引き続き集中治療を受けている」と発表。「腕に深刻なダメージを受けたにもかかわらず、彼女は依然として手錠と足枷をかけられ、ベッドにつながれたままだ」「彼女の回復ぶりは医学的に前例がない。予後は未だ不明だが、少なくとも回復には長い時間がかかると予想される」と付け加えた。
弁護団の減刑要請と州の対応
弁護団は、テネシー州のビル・リー知事に対し、パイク死刑囚の判決を仮釈放の可能性がない終身刑に減刑するよう改めて要請した。
死刑執行失敗を受け、リー知事は第三者機関による独立調査が完了するまで同州での死刑執行を一時停止しているほか、同州の矯正局長が辞任に追い込まれた。
事件の経緯と背景
パイク死刑囚は18歳だった1995年、交際相手の男と共に、若者向けの職業訓練施設の同僚だったコリーン・スレマーさん(当時19、女性)を殴り殺した。
スレマーさんの遺体の胸部に悪魔の象徴・悪魔崇拝のシンボルとして知られる五芒星(ペンタグラム)が刻まれていたことから、事件は全米の注目を集めた。
死刑情報センター(DPIC)によると、米国で1976年に死刑制度が復活して以降、死刑を執行された女性死刑囚はわずか18人となっている。