越前がに返礼品に「水がに」混入、GI法違反で措置命令 福井県越前町
越前がに返礼品に「水がに」混入、GI法違反で措置命令

福井県越前町は24日、ふるさと納税の返礼品「越前がに」で不適正な表示があったと明らかにした。農林水産省の「地理的表示(GI)保護制度」に登録されている特産品だが、基準を満たさない商品を「越前がに」と表示していた。町は返礼品での「越前がに」を含む全てのカニ関連商品の取り扱いを中止する。

農水省が措置命令、町長が謝罪

農水省はこの日、町に対し、地理的表示(GI)法に基づき、原因究明や再発防止などを求める措置命令を出した。

町役場で会見した高田浩樹町長は「越前がにのブランドへの影響を及ぼしかねない問題で、重く受け止めている。寄付者や関係者、町民にご迷惑をかけ、深くおわびする」と述べ、謝罪した。

「水がに」を半分以上使用、約1億円の寄付

町によると、保護制度で「越前がに」と表示できるのは福井県沖や周辺で漁獲されるオスのズワイガニとメスのセイコガニで一定の基準を満たしたものに限られる。

しかし、町内の水産加工業者1社が出品した甲羅盛りやむき身の返礼品に、「水がに」と呼ばれる脱皮直後の殻の柔らかいズワイガニを半分以上使用した商品が2種類あった。該当する商品は2020年9月~今年4月まで4716件提供され、約1億円の寄付があったという。

また、この業者を含む11事業者の返礼品の一部でも旧国名の「越前」を冠する商品があり、「越前がに」と誤認されるおそれがある表示となっていた。

昨年10月の照会を見逃す、再発防止策を検討

町では今年4月、水産事業者の会合で表示に問題があることを把握し、該当する返礼品の出品を取りやめた。

昨年10月に北陸農政局からGI法に抵触する返礼品があるのではとの照会を受けたが、担当課は「水がにも越前がにの一種」と誤認し、問題に気づかなかったという。

町では該当する寄付者へおわびの連絡をする。また、カニ関連商品の返礼品への登録を当面取りやめる。

町によると、カニ関連商品の寄付額は昨年度約6億円で、ふるさと納税寄付額の4割超を占めた。

町ではGI制度への理解の徹底や関係事業者への周知、返礼品の登録審査の厳格化などの再発防止策を講じるという。