イタリア上院、原発再導入法案を可決成立…約40年の脱原発路線転換へ
イタリア上院、原発再導入法案を可決成立…脱原発路線転換へ

イタリア上院は23日、原子力発電の再導入に向けた法整備の権限を政府に委ねる法案を賛成多数で可決し、成立させた。政府は約40年間にわたり採ってきた脱原発路線を転換し、安定的なエネルギー確保に向けて原発再導入の準備に入る。

政府に12か月以内の法令策定を委任

同法の成立により、政府は12か月以内に原子力規制機関の設立や安全規制などに関する法令を策定する。導入予定とされるのは、従来の大型原発よりも建設期間が短くコストを抑えられる小型モジュール炉(SMR)だ。政府は、量産体制が整えば、2034~35年頃には稼働が可能とみている。

脱原発の歴史とエネルギー依存の転換点

イタリアでは、1986年に旧ソ連で起きたチョルノービリ(チェルノブイリ)原発事故後に国民投票を実施し、原発を廃止。エネルギーは輸入に依存してきた。しかし、2022年のロシアによるウクライナ侵略で電気代は欧州内で最高水準に上昇。メローニ政権は23年から原発回帰に向けて調整してきた。

世論は過半数が再導入に肯定的

今年6月の世論調査では、57%が原発再導入に肯定的な回答をした。ただ、安全性などを巡り反対意見もあり、立地の決定などが難航する可能性がある。