厚生労働省は2026年7月20日、今年に入ってからのはしか(麻疹)の患者数が過去最多を記録したと発表した。これまでに確認された患者は全国で累計120人に達し、2019年の年間最多記録(約300人)を上回るペースで増加している。最新の事例として、海外渡航歴のある20代男性が感染し、国内で複数の接触者に広がっていることが明らかになった。
感染拡大の背景と最新事例
今回確認された20代男性は、先月東南アジアへ旅行した後、発熱や発疹などの症状を訴え、医療機関で検査の結果、はしかと診断された。同男性はワクチン接種歴がなく、帰国後数日間は公共交通機関を利用していたため、感染が広がるリスクが指摘されている。厚労省の担当者は「海外ではしかが流行している地域からの帰国者による持ち込みが相次いでいる」と説明する。
はしかは空気感染する強い感染力を持ち、ワクチン未接種者が感染すると重症化リスクが高い。今年の患者のうち約7割が20~30代で、予防接種を2回受けていないケースが大半を占める。専門家は「1990年代以降に生まれた世代で接種率が低下している」と警鐘を鳴らす。
政府の対策と予防接種の呼びかけ
厚労省は20日、緊急の対策会議を開き、自治体に対して予防接種の促進や感染拡大防止策の徹底を指示した。具体的には、医療機関での迅速な診断と隔離、接触者調査の強化、そしてワクチン接種の啓発活動の拡充が求められる。厚労省の担当大臣は「はしかは命に関わることもある。2回のワクチン接種が最も有効な予防策だ」と述べ、未接種者への接種を強く呼びかけている。
また、国際的な渡航が再開したことに伴い、海外からのはしかウイルスの流入が増加している。特に東南アジアやアフリカ地域で流行が続いており、日本への持ち込み事例が後を絶たない。厚労省は、渡航前のワクチン接種状況の確認と、帰国後の健康監視を徹底するよう国民に注意喚起している。
医療現場への影響と今後の見通し
患者数の急増により、一部の医療機関では診療負荷が高まっている。特に発熱外来や小児科では、はしかの疑いがある患者の対応に追われ、通常の診療に支障が出るケースも報告されている。感染症専門医は「はしかは発症から数日間は感染力が非常に強い。早期の診断と隔離が重要だ」と指摘する。
今後の見通しについて、厚労省は「夏休みの旅行シーズンを迎え、さらなる感染拡大が懸念される」と警戒を強めている。ワクチン接種率の向上と迅速な対応が感染拡大防止の鍵となる。



