蛇口をひねればいつでも飲み水が手に入る、世界的にも恵まれた環境である日本。その中でも、屈指の品質、おいしさを誇るのが東京の水道水だ。悠々と流れる江戸川のほとりに、東京ドーム約6個分の広大な敷地を抱える金町浄水場(葛飾区)は、通水開始から今年で100年を迎えた。
7度の拡張改良工事を経て全国有数の巨大浄水場に
当初は1日5万トンほどの処理能力だったが、7度の拡張改良工事を経て全国有数の巨大浄水場となった。今では葛飾や墨田、江戸川などの各区に1日最大150万トンの水道水が供給可能だ。
戦後の経済発展にともない、取水元である江戸川の水質が悪化。「かび臭くてまずい」などの苦情が、1年で1000件近く寄せられたこともあった。しかし1992年に都の浄水場の中でもいち早く、「高度浄水施設」が整備されると、かび臭の原因となる有機物をオゾンで分解し、生物活性炭により処理することで、水質が劇的に改善した。
約120人の職員が24時間体制で支える
24時間365日、都民の生活を支えるために約120人が働く。機械の操作や計器の監視、水質の検査など、業務は多岐にわたる。設備の保全管理を担う山井智弘さん(34)は、巨大な装置から細かな部品にいたるまで、場内で異常が発生すればすぐに駆けつける。「不具合の種類も様々で緊張感があるが、うまく対応できたときは達成感がある」と話す。
首都直下地震に備える耐震化工事
場内では現在、浄水作業を続けながら、首都直下地震に対応するための耐震化工事が進められている。青山忠史所長(60)は「これまでも平坦な100年ではなく、それぞれの時代の課題を乗り越えてきた。次の100年も安全でおいしい水を届けていきたい」と力を込める。



