広島市立中央図書館がJR広島駅前の複合ビル「エールエールHIROSHIMA」に移転・再オープンしてから、10月1日で半年を迎えた。4〜8月の入館者数は約118万8000人に上り、旧中央図書館の前年同期(約13万8000人)と比べて8倍超に増加した。市の担当者は「図書館に行くという目的がなくても、ついでに立ち寄れる施設になった」と手応えを語る。
駅直結の好立地が生んだ「ついで利用」
新図書館はJR広島駅直結の複合ビル「エールエールHIROSHIMA」(広島市南区)の8〜10階に入る。電車やバスの乗り換えの際に立ち寄りやすくなったことが、入館者数の大幅増につながったとみられる。9月下旬には、学生や高齢者らさまざまな世代の利用者がくつろぎながら読書を楽しむ姿が見られた。通路の幅は広く、小さな子ども向けにマットが敷かれたスペースも設けられている。
広島市東区の76歳の市民は「駅に買い物に来たついでに寄った。趣味の推理小説の本が読めて楽しい」と話した。
新規登録者も約1万8000人、開館時間延長で仕事帰りにも
4〜8月に初めて本を借りるための新規貸し出し登録者も約1万8000人に上った。市の担当者は「『図書館離れ』が進んでいると言われる中、これまで関わりの薄かった市民にも利用してもらってうれしい」と話す。
新図書館では平日の開館時間も延ばし、旧館の午前9時〜午後7時から、午前10時〜午後9時とした。仕事や用事が終わった後でも利用しやすいようにしたという。8月には館内の本が持ち込めるカフェがオープンし、土日祝には終日満席になるほど好評だ。自習用スペースもあり、呉市の専門学校1年生(18)は「駅や飲食店も近くにあり、みんなで集まって勉強もしやすい」と語る。
老朽化した旧館から移転、今後も利便性向上へ
旧中央図書館は広島市中区の市中央公園にあり、100万冊を超える蔵書を誇り市民に親しまれてきた。しかし1974年の開館から半世紀が経過し、施設の老朽化が目立つとともに蔵書の収蔵スペースも不足していたことから、新たな図書館の整備が決まった。
移転から半年が経過し、入館者数・新規登録者数とも順調に推移している。市は今後も、駅前という立地を生かしたサービスを続けることで、より多くの市民に利用を促す方針だ。