脂肪肝の原因と筋肉の役割
肝臓外科医の尾形哲氏によると、脂肪肝の改善には筋肉の「質」と「量」が鍵を握る。食事時間が不規則で糖質に偏った食事が続くと、余剰エネルギーが脂肪として肝臓に蓄積されやすくなる。多くの人は脂肪肝対策として食事制限や禁酒を思い浮かべるが、やみくもに食事量や回数を減らすと、かえって脂肪が燃えにくい体を作ってしまうという落とし穴がある。
筋肉は糖の貯蔵庫
筋肉は食事から摂った糖を一時的に蓄える「貯蔵庫」の役割を果たす。食後に血液中に入った糖は筋肉に取り込まれ、エネルギーとして使われたりグリコーゲンとして蓄えられる。しかし筋肉量が少ないと貯蔵庫が小さくなり、糖を十分に受け止められず、余った糖が肝臓へ送られる。肝臓はそれらを中性脂肪に変えて蓄えるため、脂肪肝につながる。さらに筋肉が少ないと食後の血糖値も上昇しやすい。
十分な筋肉量が肝臓を守る
逆に筋肉量が十分であれば、食後の糖は筋肉に取り込まれ、肝臓に脂肪がたまりにくくなる。つまり筋肉量を維持することが肝臓を守ることになる。しかしむやみな食事制限による減量では脂肪だけでなく筋肉量も減少してしまう。筋肉を維持するには毎食のタンパク質摂取が欠かせない。これが落とし穴の正体だと尾形氏は指摘する。
筋肉は代謝臓器
筋肉の重要性は糖の貯蔵庫としてだけではない。筋肉は体内で多くのエネルギーを消費する「代謝臓器」でもある。何もせず寝ているときでもエネルギーを消費する基礎代謝は、日中の活動中に消費されるエネルギーよりも多い。基礎代謝がきちんと働けば24時間脂肪を燃焼させる体になる。尾形氏は「筋肉量を維持することが脂肪肝改善の近道」と述べている。



