脂肪肝放置は危険、専門医が教える1日1分習慣で改善
脂肪肝放置は危険、専門医が教える1日1分習慣

健康診断で「脂肪肝」と指摘されても、自覚症状がないため放置する人は少なくありません。しかし、脂肪肝は単に肝臓に脂肪がたまるだけの病気ではなく、代謝の乱れに関連し、高血糖や脂質異常、高血圧などが背景にある病気として捉えられるようになっています。成人の3人に1人が脂肪肝ともいわれる今、放置は禁物です。

脂肪肝は「異所性脂肪」がたまる病気

脂肪肝というと、お腹まわりにつく内臓脂肪が肝臓にもついている状態と思われがちですが、実は肝臓につく脂肪は内臓脂肪とは異なる種類のものです。私たちの体につく脂肪には、皮下脂肪、内臓脂肪、異所性脂肪の3種類があります。皮下脂肪は皮膚の下、内臓脂肪は胃や腸のまわりにつく脂肪で、どちらも余ったエネルギーを蓄える場所です。一方、異所性脂肪とは、本来脂肪がつくはずのない場所(肝臓、筋肉、心臓など)にたまる脂肪です。脂肪肝は、肝細胞のひとつひとつに脂肪が蓄積した状態で、肝臓は脂質の代謝を担う臓器ですが、脂肪をため込む場所ではないため、機能が低下し、脂質や糖の代謝がうまく働かなくなります。

近年、脂肪肝は「MASLD(代謝機能障害関連脂肪性肝疾患)」と呼ばれ、単に肝臓に脂肪がたまるだけでなく、高血糖や脂質異常、高血圧などの代謝異常を背景に持つ病気とされています。現在、成人の3人に1人が脂肪肝と推計され、もはや一部の人だけの問題ではありません。特に日本人では、肥満ではないのに脂肪肝になる「やせ型脂肪肝」が少なくないことが知られています。

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筋肉は「第2の肝臓」、脂肪肝改善のカギ

肝臓専門医の尾形哲氏によると、脂肪肝改善のカギは「筋肉」にあります。筋肉は「第2の肝臓」とも呼ばれ、糖や脂質の代謝に重要な役割を果たします。まずは3カ月で体重の7%減を目指すと肝臓の数値が改善することがわかっていますが、このとき筋肉を維持しながら脂肪を減らすことが重要です。筋肉が減少すると基礎代謝が落ち、かえって脂肪がつきやすくなるためです。

尾形氏は、著書『専門医が教える 肝臓から脂肪を落とす 鶏むね最強レシピ』の中で、筋肉を増やすための簡単な体操を紹介しています。それは「1日1分から始める筋肉アップ体操」で、特別な道具は必要なく、自宅で手軽に行えます。具体的には、その場で足踏みをしながら腕を大きく振る運動や、壁に手をついて行う腕立て伏せなどが推奨されています。これらの運動を毎日続けることで、筋肉量を維持・増加させ、脂肪肝の改善につなげることができます。

ALT30超とMASLDセルフチェック

脂肪肝の早期発見には、健康診断の血液検査で測定されるALT(GPT)という肝臓の酵素値が指標となります。ALTが30を超えると肝臓に脂肪がたまっている可能性が高く、さらにMASLDの診断には、肝臓の脂肪化に加えて、以下の代謝異常のうち少なくとも1つが該当する必要があります:高血糖(空腹時血糖値100mg/dL以上)、脂質異常(中性脂肪150mg/dL以上、またはHDLコレステロール40mg/dL未満)、高血圧(収縮期130mmHg以上、拡張期85mmHg以上)、肥満(BMI25以上)など。該当する項目が多いほど、脂肪肝の進行リスクが高まります。

尾形氏は「脂肪肝は放置すると肝硬変や肝がんに進行する可能性があるが、早期に発見し適切な対策を取れば改善できる。まずは今日から1分体操を始め、3カ月後の健康診断で結果を確認してほしい」と述べています。

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