脂肪肝と診断されても、自覚症状が少ないため放置してしまう人は少なくありません。しかし、肝臓に脂肪がたまった状態を続けると、肝炎や肝硬変、さらには肝がんへと進行するリスクがあります。肝臓外科医の尾形哲氏は「脂肪肝は改善可能な病気。特に肝臓の脂肪は最初に落ちやすい」と指摘し、無理なく続けられる習慣を提案しています。
脂肪肝改善の鍵は鶏むね肉と軽い運動
尾形氏によると、脂肪肝改善に必要なのは厳しい運動ではなく、おいしく鶏むね肉を食べて、ちょっとだけ体を動かすこと。その小さな積み重ねが肝臓を守り、将来の健康につながるとしています。同氏の著書『専門医が教える 肝臓から脂肪を落とす 鶏むね最強レシピ』(KADOKAWA)では、具体的な食事法が紹介されています。
健康診断のALT値で脂肪肝をチェック
脂肪肝の早期発見には、健康診断の結果を活用することが重要です。特に注目すべきは「ALT」という数値。ALTは肝臓の細胞に多く存在する酵素で、肝細胞がダメージを受けると血液中に漏れ出します。尾形氏は「ALTが30を超えたら一度医療機関に相談することをおすすめします」と述べています。ALTは脂肪肝の程度そのものを示す数値ではありませんが、30を超える場合は肝臓に異変が起きているサインです。
また、ASTとALTがどちらも30以下の基準値内であっても、ALTがASTより高い場合は脂肪肝の疑いがあります。
MASLDのリスクチェック
さらに「MASLD(代謝機能障害関連脂肪性肝疾患)」は、肝臓に脂肪が蓄積していることに加え、代謝異常を背景に持つ脂肪肝です。次のうち1つでも当てはまると、MASLDの可能性があります。
- BMI23以上、または腹囲が大きい(男性94cm超、女性80cm超)
- 血糖値が高い(空腹時血糖100mg/dL以上、食後2時間血糖値140mg/dL以上、HbA1c5.7%以上、または2型糖尿病の治療中)
- 血圧が高い(収縮期血圧130mmHg以上、拡張期血圧85mmHg以上、または降圧薬服用中)
- 中性脂肪値が高い(空腹時血清中性脂肪150mg/dL以上、または脂質異常症治療中)
- HDL値が低い(男性40mg/dL以下、女性50mg/dL以下、または脂質異常症治療中)
これらに当てはまったからといってすぐに深刻な病気になるわけではありませんが、脂肪肝は自覚症状がほとんどないまま進行するため、「まだ大丈夫」と放置してしまうことが最も問題です。
今日からできる脂肪肝改善の第一歩
幸い、脂肪肝は生活習慣、特に食べ方を整えることで改善が期待できる病気です。健康診断の結果は体からの小さな警告。ALTの数値や体重の変化を見逃さず、鶏むね肉を食事に取り入れるなど、今日からできることを始めてみてください。



