肝臓外科医の尾形哲氏によれば、脂肪肝と診断された場合、放置は危険だが、肝臓の脂肪は体脂肪の中で最も早く減少するという。慶應義塾大学の伊藤裕教授が提唱する「メタボリックドミノ」では、脂肪肝は生活習慣病が連鎖する中流域に位置し、ここで代謝の乱れを立て直せば重篤な病気を防げる可能性が高い。
脂肪肝改善の第一歩:体重7%減を3カ月で
脂肪肝改善の目標は、現在の体重から7%減。例えば体重60kgの人なら約4.2kg減。標準体重を目指す無理な減量は不要で、最初の3カ月で一気に7%減を目指すことが重要だ。尾形氏が担当する「スマート外来」では、この方式で約8割の患者が肝臓の脂肪や血液検査の数値改善に成功している。体重60kgなら約4kg、90kgなら約6kg減で、月2kg減程度を目安にすると無理なく達成しやすい。
極端な糖質制限は逆効果:筋肉量を維持せよ
ただし減量方法に注意が必要だ。極端な糖質制限や食事抜きは、脂肪だけでなく脂肪燃焼に欠かせない筋肉量の低下を招く。筋肉は「第2の肝臓」とも呼ばれ、食事から摂った糖を貯蔵する役割を持つ。筋肉が十分なら食後の糖を受け止めやすく、肝臓に余分な脂肪がたまりにくい。逆に筋肉が減ると糖の行き場がなくなり肝臓に向かい、肝細胞に脂肪を増やす。さらに筋肉は代謝臓器としても機能し、食後の糖を取り込みエネルギーとして使ったりグリコーゲンとして蓄えたりする。筋肉量が保たれているほど血糖値の急上昇を抑え、肝臓に脂肪がたまりにくい代謝環境が作られる。
筋肉量を増やす食事と運動の習慣
筋肉量を維持・増やすには、適度な運動とバランスの良い食事が不可欠。特に1日1分程度の簡単な習慣でも効果が期待できる。専門医は、脂肪肝改善には長期的な視点で、小さな積み重ねが肝臓を守り将来の健康につながると強調している。



