指定避難所の4割で空調未整備、体育館で遅れ 山口県内
指定避難所の4割で空調未整備 山口県内

山口県内の市町が指定する避難所のうち、少なくとも4割でエアコンなどの空調が完備されていないことが、各自治体への取材で分かった。特に大人数を収容できる体育館での導入が進んでいない。

熊本県で最大震度7を観測した地震では、多くの人が猛暑の中での避難生活を余儀なくされた。県内でも夏場に大規模な災害が発生した場合、空調が未整備の避難所で体調不良者が発生することが懸念される。

県内19市町で計1226か所

指定避難所は、自宅に戻れない被災者が一時的に生活する施設。各市町が把握している状況を読売新聞が取材したところ、県内19市町で指定避難所と回答されたのは計1226か所。このうち、空調が未整備または一部整備にとどまるのが少なくとも計482か所に上る。

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特に整備が遅れているのが体育館だ。小中学校では教室にエアコンが設置されていても、体育館では整備が追いついていない。費用面が大きな壁となっており、長門市は「広い施設への空調の導入には、断熱材などの周辺整備が必要で、1施設につき数千万円がかかる。やりたくてもできない」と説明する。

学校統廃合や施設規模が課題

学校の統廃合が検討されているため、整備を進められない自治体もある。美祢市は「数年後に使われなくなる恐れがあり、どんどん導入できる状況にない」と打ち明ける。周南市などでは、地域の集会所など小さな施設で整備が終わっていないという。

周防大島町は「日頃使っている11避難所は完備しているが、避難所としても使う寺など民間施設の状況が不明」としている。

スポットクーラーで対応も限界

各市町は対策としてスポットクーラーを導入しており、柳井市は「対応できている」と説明。岩国市は昨年度、国の交付金も活用して約120台を購入した。ただ、スポットクーラーは局所的な冷却となり、体育館など大型施設では効果が限られる。

空調の整う教室での受け入れを計画している市町もあるが、人数が限られる上、授業が行われている時期は使用が難しくなる。

先進事例と知事のコメント

県内では防府市が整備に力を入れており、今年度中に全小学校、来年度中に全中学校の体育館に配備する予定だ。和木町は「物資の備蓄に使っている施設を除けば、ほぼ完備している」としている。

2016年の熊本地震では、270人を超える犠牲者のうち、避難生活で体調を崩すなどした「災害関連死」が8割を占めた。真夏の避難所生活では、熱中症が危惧される室温で過ごすことで、体調不良者が増える恐れがある。

村岡知事は「色んな事情を抱えている方がいるので、誰でも安心して避難生活ができる体制づくりを進めていきたい」と話している。

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